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彰人「あー…あーー………」




喉を震わせ音を出す

まだ完全復活とはいかないがだいぶ治ってきた




彰人「絵名達に感謝しなきゃだな…」




彰人「………せっかくだし、”あっちのセカイ”に行ってみるか」




ポチッ………




再生ボタンを押すと

眩しい光が画面から放たれ、次第に体を包む




次第に体の感覚が戻ってきて

コツ…と地面につく音がする




彰人「………」




誰かいるかと辺りを見渡すと

見覚えのある青髪を見つける




彰人「あれは…KAITOか?」




物音1つしないこのセカイ

呟いたつもりの声が聞こえたのだろうか




KAITO「………」




彰人「ぁ………?」




機嫌が悪いとかのレベルじゃ無い目で見てくる

その目には光が無く、この距離でも感じる威圧感




直感で感じる この不安感

1番最初に頭をよぎった想い








“ あれは誰だ? “








KAITO「………なにか様か?」




こちらに近づいて来て

冷たく、刺す様な声で聞かれる




彰人「………」




“驚いて言葉が出ない”


と言う言葉がここまでピッタリな状況があうなんて

思いもしなかった




いつもヘラヘラと笑っている表情は

全てを諦めたような笑み1つない顔に




お喋りでいつも冗談を言う暖かい声は

無口で現実を突きつける様な冷たい声に








カフェの料理を食べてる時、歌っている時、話してる時に輝いてる目は




何も無いこのセカイと似たり寄ったりの、光一つ届かない目をしていた








KAITO「……?」




KAITO「お前、絵名の…」








奏「…KAITO」




彰人「っあ…」




助かった、と言う感情で肩の力が抜ける

KAITO…と言われて反応したと言う事は…




彰人「KAITOなのか………」




KAITO「…何か文句か?」




彰人「あー…いや……」




ギロリと睨みつけられる冷たい目と

情けない目をしている彼が、同一人物とは思えない




奏「……怖がってる」




KAITO「…………ちッ…」




機嫌を損ねたのか

KAITOは早足でどこかへ行ってしまう




彰人「あ、ありがとうございます…」




奏「ううん…ごめんね、多分…そっちのKAITOとは違うだろうし…」




彰人「まぁー…だいぶ違うっすね………」




奏「えっと、今日はどうしたの…?」




KAITOの事で忘れていたが

俺は今日感謝を伝えに来てるんだった




彰人「だいぶ治ってきたので、お礼を言おうかと…」




奏「あ…いや、別に………」




奏「…治ったならよかった」
























奏「歌…聴かせてね」



















彰人「…!」




彰人「はい、もちろん」




奏「ふふ、よかった」




彰人「…………KAITOエグかったな…」




奏「ふふ…笑、第一印象は酷かったね」




奏「あ、そうだ…KAITOに曲のラフを聴いてもらおうと思ってたんだった…」




彰人「あ、俺が聞きましょうか?」




奏「じゃあ、お願いしようかな」




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