prtg
『苦しいほど、君が好き』
tg視点
夕暮れのグラウンド。
赤く染まる空の下で、部活帰りの生徒たちが笑い合いながら通り過ぎていく。俺は、その輪の中に入れず、校舎の影でひっそりと立ち尽くしていた。
pr おーい、ちぐ!
聞き慣れた声。振り返れば、汗に濡れた髪をかき上げながら、ぷりちゃんが駆け寄ってきた。
その笑顔を見るだけで、胸がぎゅっと痛む。
pr 今日も残っとったんか。真面目やなぁ
tg …うん。課題、終わらなくて
本当は違う。俺はただ、ぷりちゃんを待っていただけ。
けど、それを言葉にできる立場じゃない。
ぷりちゃんには、もう「好きな子」がいる。
俺はその背中を追うことしかできない。
pr なぁ、ちぐ
tg …なに?
pr 俺、頑張るわ。もっとええ男になって、あいつ守れるようになりたいねん
その一言で、喉の奥が熱くなる。
本当は「俺を見てほしい」って叫びたいのに、口から出たのは――
tg …うん。きっと、できるよ
応援する声だった。
自分で自分を締めつけるみたいに。
沈黙を埋めるように、風が二人の間を抜けていく。
触れたい、名前を呼びたい、全部伝えたい。だけど、それをやってしまったら、ぷりちゃんの笑顔を壊してしまう気がして。
pr ちぐは、ええやつやな
そう言って笑う顔が、どうしようもなく愛しかった。
だからこそ、手を伸ばせない。
――やりたいのに、やれない。欲しいのに、手に入らない。
その苦しさの中で、俺はただ、ぷりちゃんの隣に立つことだけを選んだ。
それが、俺の恋だった。
コメント
14件
最高すぎます…💕 こういう系もいいな…(?)
もうさ!!!!!好き‼️‼️‼️‼️(?) かちちゃの作品やっぱり何度見ても好きだなぁってあらためて思った!😽︎💞 次も楽しみにしてるねん🫶🏻💗