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森の夜明け。 レイが目を覚ますと、獣人の少女は寝返りをうってレイの肩に頭を乗せている。
一瞬、彼は無言で絶句した。
レイ(苦々しく):「……おい、重いんだが」
獣人少女(寝ぼけ声で):「むにゃ……まだご飯早いわさ……」
剣士少女(静かに目覚めて微笑む):「おはよう、レイさん。昨日は……ちゃんと休めましたか?」
レイ:「こんなんで休めるか。お前ら、そろそろ起きろ。すぐ出発する」
慌てて二人の少女も身支度を整える。
獣人少女:「レイ、今日もいっぱい戦って強くなるからね!」
剣士少女:「私も……昨日のおかげで少しだけ自信が持てました」
レイ(そっぽ向き):「勝手にしろ。だが無理はすんな。死にたくなきゃな」
再び三人は森を抜け、次の目的地――町の近くの廃墟跡を目指した。
依頼掲示板には、魔物の巣窟を一掃せよ――との高額討伐任務が新たに貼られていた。
廃墟の戦い
廃墟の中は薄暗く、不穏な気配が満ちていた。
突如、瓦礫の影から蛇のような魔物たちが襲いかかる!
魔物(群れになり襲来)
剣士少女(剣を構えて):「来る!私が前で受け止めます!」
レイ:「無理するな、俺が引き付ける。……シャドウ・イグニス!」
黒煙が敵の目を眩ませ、魔物たちは混乱する。
その間に獣人少女が素早く間合いを詰め、爪で一匹ずつ仕留めていく。
獣人少女:「よっしゃ、任せな!」
レイ(敵を蹴散らしながら):「……お前らも少しはマシになったな」
剣士少女(微笑み):「レイさんのおかげです!」
闇の男現る
全ての魔物を倒し、ほっとした時。廃墟奥の闇から黒ずくめの男が現れる。
???:「へぇ……ギルドの新星が、ここまでやるとは――予想以上だな」
レイ(警戒し、目を細めて):「てめぇは誰だ。こんな所で何してやがる」
???:「名乗るほどの者じゃないさ。ただの……“観察者”さ。お前の“黒煙”は面白い。一緒に組まないか?」
獣人少女(身構える):「気持ち悪い奴……レイに近寄るな!」
剣士少女:「レイさんには、仲間がいるから!」
レイ(鼻で笑い):「悪いな。俺一人でも十分だ。弱いやつは用済み、ってのが俺の流儀だ」
???(ニヤリと笑い):「ふふ……“本当の強さ”が何か、いずれ分かる時が来るさ」
男は黒煙に包まれて、闇へと消える。
獣人少女:「あんな奴、絶対関わらない方がいいよ!」
レイ:「心配すんな。ただの小物だ」
夜――少しだけ心が開く
任務を終え、3人は町へ戻る途中でまた野営した。
焚き火を囲み、久しぶりに気が緩む。
剣士少女:「……レイさん、さっき“俺一人で十分だ”って言ったけど、私達のこと、本当に面倒だと思ってます?」
レイ(焚き火を見つめ):「……どうだろうな。ただ……お前らが意外としぶといのは面白い。たまには……悪くねぇ」
獣人少女(笑顔):「うち、もっともっと強くなって、レイに認めてもらうからね!」
剣士少女:「うん、私も!これからも、一緒にいてください」
レイ(小さくうなずく):「……勝手にしろ」
焚き火の光が三人の影をあたたかく揺らす。
そうして、厳しくも確かな絆の夜が明けていく――