注意事項
・一話参照
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「くそッ、ppーーッ!!!!!!」
tnが追いかけていくが、男たちとppは見えなくなってしまった。
今の一瞬で何が起きたのか、理解ができない。
ppは何者だ。
それすらも分からなくなってしまった。
枝がtnの身体にぶつかってイライラさせていく。
tnは等々剣に手をつけ、木々を切ろうとした。
「tnこっちや。」
「…ut、?」
utが隣を通り過ぎていく素早く進んでいく。
tnも慌てて追いかけるが、すぐにutは足を止めた。
「おい、こいつら。」
「…、x国の、奴らやんけ。」
x国の、ppを追いかけていた男たちが気絶して倒れていた。
utは男たちを足で退けて進んでいく。
今度は考えるように静かに歩いて。
「…なぁ。ハッキング出来るやつ、うちの国におるっけ。」
「ハッキングだぁ…??何を企んでるんだが分からんが、rbはできる。」
「じゃあ、他国に詳しいやつはおるか。」
「emがおる。」
「ほんなら、他国に潜入できるやつはどうや。」
「niさんとzmがおるで。」
「…tn、足はあるか。」
「ある。」
utはポケットから小さな端末を取りだし、tnに渡した。
画面ではひとつの点が少しづつ動いている。
GPS、と言ったところだろうか。
「tnはppを頼む。俺はそいつらに知らせてくるわ。」
「お前、インカムはどうした。」
「煙草捨てた時に落としたっちゅーの。」
tnはため息を吐き捨て、走り出す。
utは怒られることに対して嫌気がさしながらも、思い切り足を踏み出した。
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「tnはまだやな。アイツらほんまバチバチやで。」
utは一通りの説教を受けたあと、窓の外へ煙草の煙を投げながら頬杖を着いた。
隣には、悲しそうに俯くshpがいる。
「…あんとき、なんで意識失ってたんやろ、」
「気にしてもしゃーないよ。shpは頑張ったやろ。」
「…っす。」
凹んでいるshpの頭をわしわしと撫でてやると、俯いていた顔がゆっくりと前を向いた。
ドタドタとうるさい足音が聞こえてきて振り返れば、rbとemが走ってきた。
「なあ。言われた通りにハッキングしたけど…。」
「お、まじか。さんきゅ。」
rbの端末を受け取り、画面を確認する。
今度はemが書類を見せて言った。
「俺も言われた通りに調べてきたで。」
「ないす。」
書類を受け取り、そちらも確認する。
「…でもさ、なんで急にそこ調べるように言ったん?」
emはshpの隣に立ち、尋ねてくる。
utは書類を1枚1枚見る。
「なぁんか嫌な予感してん。」
「a国に、何かを壊された気がするんよ。」
utの言葉に、shpは突然頭痛がして、しゃがみこむ。
emが慌ててshpの背を撫でてやる。
rbは立ったまま一点を見つめていた。
「お前らも、思ったことないか。俺らは、何かを忘れてる。」
「…言っとることは分かる。でも、a国との仲は良いやんか。そこと断念するのは…。」
「rbの言う通りや。」
「はぁ??じゃあなんで…。」
shpが頭を抑えながら立ち上がる。
「俺も、a国に外交の護衛でよく行きますけど、その度に嫌な感じがします。それもそうってこと、?」
「せや。違かったとしても、a国とは隣合わせの国やし、いつかは喧嘩が起きる。調べることに損は無い。」
utはそれだけ言うと、書類と端末を持って歩き出した。
rbはそんなutに驚きながら、窓のカーテンを閉める。
「…utって、やればできるんやな。」
「聞こえてんぞー。」
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「はッ、はぁ…。」
遠くにようやくppらしき姿が見えてきた。
もう日は落ちている。
早めに帰るためにも、ここは頑張らねば。
tnは走ってppに近寄る。
ppは止血をしていたようで、腹部に布を巻いていた。
「よう、大丈夫か…。」
「…!?」
「はは、書記長舐めんな。」
tnは木に背を預けしゃがみこんでいるppの腕を掴みながら隣に座る。
ppの傷はもう止血できているようだ、確認が済むとマフラーをppに掛ける。
「はー…。お前、なんで見ず知らずの俺らを助けたんや??」
「…。」
「…命の恩人とかなん?shpが。」
「…。」
俯いたままのppに尋ね続けるが、答えは帰ってこない。
「…ありがとうな。shpを、助けてくれて。」
「…。」
首を振るppに苦笑する。
膝に手を乗せ、ゆっくりと立ち上がる。
それからtnはppを担ぐように抱き上げた。
「助けられてばっかは、嫌やねん。」
「…!」
ppの瞳が動き、tnへと向く。
ぱちぱち、と今までで1番大きく目を開いてこちらを見ていた。
「…なんか、お前に2回とは言えず、何回も助けられてる気がしてきてさ。阿呆みたいやけど。」
「…。」
「…いつか、お前のこと、もっと知られるためにも。俺は俺なりにお前を助けたい。」
なんだ、そんなことか、と言わんばかりに目をそらされてしまった。
だが、tnはppをしっかり掴みながら歩き出す。
「それが、お前とは違う方法だとしても。」
tnの瞳は光を輝かせ続けている。
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「ただい……ってうわァッ!!!!!」
扉を開けると、grが立っていて思わず尻もちをつきそうになる。
だが、ppを抱えているしそんなことしてはいけない。
tnは足を踏み込み、なんとか耐えた。
ppは寝てしまっているようだ。
「ふむ。その様子だとppは無事そうだな。」
「まあ一応。でも怪我が酷いから油断はできん。」
「そうか。snには伝わっているから安心するといい。医務室に私が連れて行っても?」
「ああ、いいけど。」
grはppを抱き上げると、満足気に歩いていった。
tnは眠気に襲われ、自室に戻ることにした。
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「tn、gr。俺から話が。」
翌日の会議中、utが手を挙げた。
指名すると立ち上がり書類を机の真ん中に置く。
A国について書かれてある書類だ。
「…a国??なぜだ?」
「a国について調べた。んで、ここなんやけど。」
utの指差すところを皆が見つめる。
どうやらa国のパソコンをハッキングして、内部情報を抜き取ったらしい。
なんと、a国ではW国を潰す作戦が念入りに立てられているのだと。
「対処しなあかんな。それにしても、utすごいなあ。」
knが腕を組んで微笑む。
utは照れくさそうにへへっと笑った後、真剣な表情をして続けた。
なんといってもその切り替え。
正直の話、shoとzmはそんなutにツボりそうで仕方なかった。
「嫌な予感してん。ppを見てたら急に。あいつのことも、よく調べといてくれると嬉しい。」
「せやな。もしかしたらa国と関わりがあるかも知らんし。」
tnは頷きながら書類を読む。
「あ、そうだ。sn。ppの様子を。」
grがタブレットに話しかける。
snは医務室から通話で会議に参加している。
snは画面を切りかえて、ビデオ通話にした。
「また逃げ出す可能性があるから、個室に閉じ込めてるよ〜。あ、監禁じゃないからな??」
「はは、snさんならやりそうやな。」
「なんやとemこら?」
ケラケラと笑っていると、shpがタブレットを真剣に見つめていることに気がつく。
「shp、ppが気になる?」
「…っはい。」
「はー、仕方ない。可愛い後輩だし、特別に出入り可能にしてあげるわ。おいで。」
「い、いいんすか。」
「まあ重症やから、あんまり刺激せんといてな。これはお約束、やで。」
shpは会議室から飛び出して行った。
tnも行こうと立ち上がったが、騒がれるとこちらも困る、とのことでsnから禁止を喰らう。
医務室はあくまで医務室。
一般兵も使用するから、とのこと。
いつもの医務室で様子見するベッドなどは、医務室から少し離れた部屋にあるのだが、鍵付きの、ppが今寝ている個室は医務室の中にある。
「それじゃあ、会議を終了しようか。他に何か追記等は?」
…
「よし。会議終了、それからtn氏。」
grはtnに会話を回す。
tnは立ち上がり、zm、sho、ut、kn、htだけを残した。
「第一.二前線遊撃部隊knsho。戦争に備えて訓練時間増加。
情報通信、諜報部隊ut。a国監視。
参謀、暗殺部隊zm。a国からの観光客見つけ次第愚問。
戦車部隊ht。戦争に備えて改めて戦車の確認。」
「「「「了解」」」」
「a国に注意しろ。戦時体制を固めること。油断大敵、舐められるなんてもってのほかや。」
tnのテキパキとした、書記長らしさにgrは深く嬉しそうに微笑んでいた。
…いや。
あれはニヤついていたに違いない。
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「pp!!!」
「しーっ。怪我人いるし、寝てるし。」
shpの口元を抑えながらsnは静かに落ち着かせる。
shpはなんとか慌てていた心を落ち着かせて、個室に近づく。
snから受け取った鍵で扉を開く。
「…えっ、」
思わず、息を飲む。
窓から入り込む日差しに溶けてしまいそうな彼を見て。
窓の外と同じ、水色髪を枕の上に散りばめて、色白の肌を日差しに晒して、静かに眠る彼はまさに天使のようだった。
「さっきね、染料落とさせてもらった。完全に染められてなかったから。」
「…、こんなに、きれいなみずいろ。」
「やな。神様みたい。」
snはshpを個室に入れると、扉を静かに閉めた。
ぱたん、と音を鳴らしたことも、その場の雰囲気に飲まれてしまう。
shpはベッドの傍にあるソファに座り込み、口の端から頬に繋がる切り傷を眺めた。
せっかく綺麗な肌なのに。
「…。」
手を握る。
細く冷たい手だ。
でも、何かを握るように指は曲げられていた。
その指に、手を挟めば簡単に手を繋ぐことは出来た。
「…眩しいみずいろ。」
こんくらいで切らせてもらいます💦
ボツで完結無し予定でしたが、めちゃめちゃ読んでもらえて、慌てて起承転結をまた決めてます
オチが弱くなるのは察しの通りですね笑
ちなみに最近軍について調べてて、色々と単語出したので念の為解説をします
参謀→用兵、作戦などを計画し、実行するため指揮官のお手伝いをするよ
諜報→スパイ行為、スパイ活動をするよ
遊撃→敵の奇襲攻撃に臨時応変で迎撃するよ
コメント
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最っ高です︎💕︎
utが頼もしすぎる...やっぱりciがループしてたのと同じでみんなもループしてたんだね!でもループって言うとciの今までの傷が癒えてないのは引っかかるけど... a国がw国を狙ってることに気づけたのは初めてじゃないかな!?ここからどんな展開になっていくか楽しみ!