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番外編「傲慢との決闘」第四話「曖昧と理想の空間」
地獄の荒野。
古流斬と傲慢は再び距離を取る。
古流斬はため息をついた。
「……やっぱ、もどかしいな。」
傲慢も苦笑する。
「全くだ。」
「本気を出せん戦いなど、何とも中途半端だ。」
古流斬は少し考え込み、突然指を鳴らした。
「……あ。」
傲慢が首を傾げる。
「どうした。」
古流斬はニヤッと笑う。
「空間、作ればいいじゃねぇか。」
「前みたいに。」
「俺の『曖昧』と、お前の『理想』で空間を作る。」
「その中だけなら、本気出しても外に被害は出ねぇだろ。」
傲慢は一瞬黙る。
そして笑った。
「ああ……確かに。」
「それなら私の弱体化も、その空間内だけ曖昧にできる。」
「面白い。」
「実に面白い発想だ。」
古流斬は肩を回す。
「じゃあ決まりだ。」
「本気で行こうぜ。」
傲慢は口元をつり上げる。
「望むところだ。」
二人は同時に能力を解放する。
「――曖昧。」
「――理想。」
二つの力が共鳴した。
地獄の空間が歪み、黒と白が混ざり合う。
やがて、外界とは完全に切り離された一つの世界が生まれた。
『曖昧と理想の空間』。
そこでは現実の地獄に一切の影響を与えない。
二人が全力をぶつけ合っても、この空間だけで完結する。
執務室からその様子を見ていた閻魔は、小さく笑った。
「……まったく。」
「最初は止めようと思ったが。」
「あやつらなりにちゃんと配慮しとる。」
鬼が苦笑する。
「止めますか?」
閻魔は首を横に振った。
「いや。」
「古流斬にしては満点じゃ。」
「周りの被害まで考えて戦おうとしておる。」
「それなら文句はない。」
鬼も安心したように頷く。
「では、見届けましょう。」
閻魔は水鏡へ視線を向ける。
空間の中では、古流斬と傲慢が互いに笑っていた。
「これで遠慮はいらねぇな。」
「ああ。」
「ここからが、本当の勝負だ。」
次の瞬間。
二人の姿が同時に消えた。
地獄最強クラス同士の、本気の決闘が始まった。
コメント
1件
ああ、この空間を作る発想、すごく好きです。「曖昧」と「理想」を重ねて、外に影響を出さない場所を作るなんて——古流斬さんも成長したんですね。閻魔様が「満点じゃ」って言ったところにじんわり来ました。何より、お互い本気で向き合える場所を自分たちで用意したっていうのが、二人の関係性を感じさせてグッときますね。次の展開、気になります🔥
#鬱展開
Mist-404
1,765
#衝撃のラスト
山根利広
506
#バイオハザード
SOMAMON7A
159