テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#ダンジョン
リーさん
368
蒼依ジン
304
#婚約破棄
霞花怜
551
#バイオハザード
SOMAMON7A
377
「そう突っかかるなミリア」
バドルがミリアをたしなめている。
「だって意味わかんないもん!なんでこんなF級で弱そうなやつと私が一緒に組まないといけないの!」
「僕が頼んだんだ」
ヴァールの言葉にミリアは動揺し、大人しくなった。
「….足引っ張ったらタダじゃ置かないから」
「頑張ります….」
ミリアは俺を睨んだ後、膨れ顔でフンッと顔を逸らした。
「あの、ヴァールさ、、」
「では詳しい自己紹介は移動しながらにしましょう」
「(ヴァールさん、全く目を合わせてくれないな)」
「頑張れよタカノリ」
バドルは孝典の背中をポンっと叩いた。
「はい、できる限り頑張ります」
俺達はギルドでクエストの受注をした後、王国中央の噴水広場へ移動し、ベンチに腰を下ろした。
どうやらメンバーの自己紹介をしてくれるらしい。
「改めて紹介しますね。今日から一ヶ月間、僕たちと行動してもらいます」
ヴァールさんが、隣に座るメンバーを順に紹介していく。
「まずはマートン。このパーティーのタンクです」
「よろしくな、タカノリ」
マートンが手を差し出してくる。
「よろしくお願いします」
ガシッ…
「うおっ….」
あまりの力ずよさに驚いてしまった
「ちょ、マートン力入れすぎ」
細身な茶髪の男性が、笑いながら口を挟む。
「おっと!悪い悪い。こいつがトロイ、弓使いだ」
「よろしくな、遠距離から援護してやっから心配すんなよ」
「はい!」
「そしてメレナ」
「よろしくお願いします、タカノリさん」
優しげな笑みを浮かべ、頭を下げた。
「僧侶なので、怪我をしたら私に言ってくださいね」
「ありがとうございます。心強いです」
「…..最後にミリア」
ヴァールがミリアを見るが、ミリアは話そうとしない。
「…魔法使いをしています」
「フンッ…」
「えっと….よろしく」
「なんでF級なんかと…」
「ミリア」
ヴァールが静かに名前を呼ぶ。
「….分かってるわよ」
ミリアは頬を膨らませ黙り込んだ。
「そして僕がリーダーのヴァールです。改めてよろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
「では、今回の依頼について説明します」
ヴァールが地図を広げた。
「今回は王国から二時間ほど離れた場所にある、湿地帯に生息するマラルフロッグの異常繁殖に伴い討伐に向かいます」
「マラル…フロッグ?カエルですか?」
「はい、C級の魔物ですが群れを成して厄介なのでクエストの難易度はBランクになっています」
俺が同行することもあり、クエストの難易度を普段より下げてくれているようだ。
「もっと強い魔物と戦いたい!」
「俺達はタカノリさんを絶対に守り抜かないといけない。この一ヶ月間Bランクより上の依頼には行かないよ」
またしてもミリアに睨まれてしまった。
俺達は王国から出ている馬車に乗った
「タカノリ、これだけは覚えててくれ。俺たちから離れないこと、俺たちが瀕死の状態に陥った時は全速力で逃げること。いいな?」
「はい!」
マートンの言葉に少し緊張し、身体が震えた。
「だっさー、もしかしてあれ?緊張しちゃった?安心しなさいよ、アタシらがやられることなんてないから」
俺の様子を見てミリアが、すかさずからかってきた。
「よしなさいミリア、一緒のパーティなのよ」
「だってぇー、」
ミリアは膨れっ面でメレナに頭を撫でられている。
荷台には孝典とマートン、ミリア、メレナが座っていて、荷台の上にはトロイ、案内人の横にはヴァールがいる。
「まだ目的地までは長い、睡眠を取りながら備えておいてくれ」
「はい(安心感のある人だなぁ)」
マートンの人柄に、孝典は落ち着いた 。
荷台の外にいるヴァールとトロイは、周囲を警戒していた。
「魔物は居なさそうだな」
「あぁ、」
―――孝典、ギルド試験前
孝典が闘技場へ向かう一方、バドルはヴァールを呼び止めた
「ヴァール、ちょっといいか」
バドルは、ローザから届いた手紙をヴァールに見せた。
「…..なるほど、タカノリさんを監視してほしい..と」
「あぁ、師匠はだいぶ警戒してるみたいだ」
「それで、試験を行うってわけですか」
「そういうことだ」
「事情は分かりました」
―――試験後、ギルドマスター室にて
悩んだ表情でヴァールがバドルの方を向く。
「僕にはどうしても彼が悪い人間には思えません」
「だが、結界をすり抜けたって事実はあるんだぜ?正直に言うが俺はタカノリを他国の者だと思っている」
「他国から送り込まれたと…?」
「可能性としてはな」
少しの沈黙の後、ヴァールが口を開いた。
「それじゃあ、僕のパーティーで一ヶ月間同行させて貰えないでしょうか」
バドルは驚いた表情をする。
「おいおい、本気か?そんな事はギルドでやる。お前らの時間を無駄にすることになるぞ」
「それでも、僕は彼を信じてみたいんです。初めて会った時から彼の心は穏やかだったんです。何かしらの企みがある人には特有の歪みがある」
バドルはヴァールの目を見た。
「はぁ、、任せてもいいんだな?」
「はい、僕の目で見て彼が善か悪なのかを判断します」
―――現在に戻る
「(……..)」
ヴァールは、馬車に揺られながら思い出していた。
「タカノリさん、タカノリさん!」
「むぇ…?」
俺はいつの間にか寝てしまっていた。
「うわっ、すみません!」
「ハハハッ、ぐっすりだったな」
トロイが笑っている。
ヴァールさんが背中に剣を背負い、こちらに向かってきた。
「起きましたか、ここが今回の討伐対象がいる湿地帯です。気を抜かずに行きましょう」
俺達は、草葉をかき分けながら進んだ。
ヴァールさんとマートンが先頭で、俺とメレナさんが真ん中、ミリアとトロイが後方を担当していた。
「うげっ、!靴がドロドロ〜、もう帰りたいよぉー」
ミリアが駄々をこね始め、メレナがなだめる。
「帰ったら洗ってあげるからね」
「これでもS級ってんだからスゲーよな」
トロイが苦笑いした。
「なによ、文句ある?」
「べつに〜」
「(かわし方うまいな、俺があんな感じにしたら殴られるんだろうな、、)」
しばらくぬかるんだ道を歩いていたが、ヴァールさんの一声で一気に空気が変わった。
「前方魔物二体!」
「〝了解!〟」
誰からの指示も受けず、メンバーは臨戦態勢に入る。
マートンは盾を構え、トロイは弓を引き
メレナは詠唱に入り、ミリアは杖を構えた。
俺は立っていることしか出来なかった。
「はぁあ!」
マートンが盾で魔物の攻撃を防ぎ、その間にヴァールとトロイが攻撃を行い魔物を倒した。
「伏せて!」
ヴァールさんが俺に向かって叫ぶと同時に、草陰からもう一体が俺に襲いかかってきた。
霧吹きを出すには間に合いそうもない。
「〝フロスト・コフィン〟」
魔物が一瞬にして氷漬けになった。
「まったく、自分の身も守れないなら帰ってくれない?」
「あ…ありがとうございます」
俺は心臓がバクバクでなにより、一回り以上も下の子に助けられた事に情けなくなった。
「(俺は自分の身すら守れないのか…)」
倒した魔物から、魔石や換金出来そうな物を取った、俺の役割はその荷物を持つことだった。
「キツくなった時は言ってくれ、代わるからな」
「はい!(優しすぎる〜!)」
俺はマートンの優しさに感動し、リュックを背負った。
「お…重っ。こんなのを毎回背負ってるんですか」
「あぁ、こんなの軽い方だぜ。ハハハッ」
「(S級半端ねぇ….)」
ザッ…
ヴァールが足を止めた。
「マラルフロッグの群れを発見」
「おいおいマジか、」
トロイが驚いた顔をした。
そこにはおびただしい数のマラルフロッグがいた。
(つづく)
《ステータス》
・三田 孝典 (みた たかのり)
・レベル2
・F級冒険者
・【固有職業:きのこマスター】
・【一般級:霧吹き】
【一般級:ゴム手袋(薄手・ピンク)】
・【ウィンドウ】【マップ:レベル1】
【会話:レベル1】
==================================
最後まで読んで頂きありがとうございます!
応援、コメントして頂けると励みになります!
〝マラルフロッグの群れとの戦闘、タカノリは少しでも役に立てるのか?〟
次回お楽しみに
(*・ω・)*_ _)ペコリ
コメント
1件
リーさん、第5話読みました〜! S級パーティーの荷物持ち、想像以上に過酷そうでドキドキしました…😶 ヴァールさんが裏でタカノリを監視&善悪判断しようとしてる展開、結構重めでゾクッとしました。 あと、ミリアに助けられた時のタカノリの悔しさがすごく伝わってきて、胸がギュッとなりました。 次回、マラルフロッグの群れとの戦闘…タカノリの「きのこマスター」がどう活きるのか気になります!続き楽しみにしてますね🌙