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マキ
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#あやかし
がくじゅつてき・あかげ
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ねこさん⛄️
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また貧血で倒れたくないし、館の近くに行きつけの病院も作りたいしで、最寄りの内科に貧血の相談をしに行きたいと言ったら、ヤカは大いに賛成してくれた。
{ぜひそうしよう、あなたのためなら何でもするが、不調について私のできることには限界がある}
「また膝掛けになってついてきてくれる?」
{もちろん}
土曜だけど、薄荷ちゃんも付き添ってくれるって。薄荷ちゃん、港栄駅ビルの本屋さんに行きたいとかで館に来てたんだけど、本屋に行くのは私の用事が済んだあとでいいって言ってくれて。
「こないだ怖い思いしたんですから、私でよければついていきますよ」
「ありがとうね、本当に」
電動車椅子に乗り、3人で最寄りの内科、みなと内科へ。駅と反対方向に10分くらい行ったら、ちょっと大きめのクリニックが見えてきた。受付を済ませて、初診表を書いて、薄荷ちゃんに付き添ってもらっていざ診察。がっしりした体躯の中年の男性医師が診てくれた。
「今日は貧血の相談ということで?」
「はい、生理の時、立ちくらみというか、貧血で動けなくなっちゃいまして、それで一度診てもらおうと思いまして」
「じゃあ、ちょっと下まぶたをめくって見てもらえますか?」
言われたとおりにすると、先生さんは「ああー、これはだいぶ……」とつぶやいた。そんなに……。
「先生、鉄剤でどうにかなるなら欲しいです」
「そうですね、生理の出血は多くありませんか?」
「多い方だと思いますけど、もっと多いときに婦人科で検査して、特に異常ありませんでした」
「便が特に黒いとか赤いとかはないですか?」
「ないです」
「一応血液検査して、それで鉄が足りなかったら鉄剤出しますね」
そうなると思ったー! いろんな可能性を探るためなのはわかるんだけど、体悪いって言って病院行くと、薬の前に絶対血液検査入るんだよね……。貧血なのに血取られるの嫌だけど、一応一通り検査してもらったほうが安心ではある……。
私は先生に頭を下げた。
「じゃあお願いします」
「それと……その、付き添いのあなた、ご家族ですか?」
先生は薄荷ちゃんを見た。薄荷ちゃんはきょとんとした。
「え? いえ」
私は言い添えた。
「うちで雇ってる家事手伝いの子です」
先生は眉根を寄せた。
「……何か、変わったこととか起きてません?」
「変わったこと? いえ、特に何も……」
いや、だいぶ変わったことは起きてるか! でも普通のお医者さんに全部言ったら、多分幻覚見てないかの検査されるよ!
私はもにょもにょと言った。
「あー、そのー、ちょっとオカルトなことは起きてますが、この子は全く関与してないです」
すると、先生はさらに聞いてきた。
「そうでしたか、たくさん出血するようなことも心当たりない?」
「いえ、生理くらいで」
なんかだいぶ追求してくるなあと困っていると、薄荷ちゃんが口を開いた。
「あの、先生、素質ある方でいらっしゃいます?」
すると、先生は居住まいを正した。
「……はい」
素質? 何それ?
薄荷ちゃんは言い訳するように言った。
「その、牧之原様は体壊してて、薬師如来様に霊薬を授かって命を永らえた方なんですけど、完璧に健康になったわけじゃなくて、それで病院に来てます」
先生は目を見開いた。
「え! あっ、そう言えば九さんがそういう人と会ったと人づてに……」
「そうです、私、九様の弟子です。安留辺薄荷と言います」
「あ、そうでしたか、それは申し訳ない!」
先生は慌てて薄荷ちゃんに頭を下げた。何? どういうことなの? 九さんの知り合い?
私は薄荷ちゃんの袖を引いた。
「その、薄荷ちゃん、何が起きてるの?」
「先生は私が妖怪だってわかる方なんですよ、素質があるんです」
先生はまた頭を下げた。
「すみません、生気や血を吸うような妖怪もいるのでもしかしたらと……」
「えっここ心霊病院なんです!?」
たまたま近くにあった病院がお化け病院なことある!?
先生は「違います違います」と片手を振った。
「ここは普通の内科です、私が偶然霊感あるだけです」
薄荷ちゃんが私に言った。
「たまに素質ある人いますから、会った時の説明考えといたほうがいいかもしれません」
「はえー……」
先生は電子カルテにいろいろ打ち込みつつ言った。
「本当に申し訳ない、そういうことでしたら血液検査で済みますので。あとで採血にお呼びします」
「あ、はい、ありがとうございます」
で、普通に採血されておしまい。お会計をして、私たちは病院を後にした。人通りがあまりなかったので、ヤカ(膝掛け)が喋った。
{変わったことと言われて、私が話題に出るかと思ったのだが}
「あ、そう言えば、確かに変わったことだったわ……」
薄荷ちゃんが苦笑した。
「化け狐もだいぶ変わってますよ」
「そういえばそうだったわ……」
感覚が麻痺してるなあ。でも玉藻さん以外の人ならざる人たちはみんな良くしてくれるし、怖いとか嫌とか全然ないのよね。
コメント
1件
うわ、この回めっちゃ好きだわ。「ここ心霊病院なんです!?」ってツッコミ入れたくなるのわかる(笑)。先生が霊感あるおかげで薄荷ちゃんバレそうになったときの空気感、めちゃくちゃ面白かった。主人公の「変わったことだらけだけど全部いい人(狐?)ばっかで感覚麻痺してる」って心境、なんかホッコリするなあ。ヤカさんが膝掛けで通院してるのも最早ギャグだし、この日常と非日常のバランスが絶妙すぎる🔥