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#人間ドラマ
雨宮寧々
#恋愛
桜咲かな
1,037
勝俣が死んだ。あそこで死ぬのは正直わかっていたでも止められないのだ 、それが運命なのだ、
そう考えるしかない
私は鳥居の前にいる
夜の森の風は、音を失っていた、
風は消え、鈴虫の鳴き声だけが…微かに聞こえる
私はゆっくりと鳥居の前に歩み寄る。
最近塗られたのがよくわかるくらい、真っ赤な柱に手を触れた瞬間 空気が震えた。
「八つの灯火、九つ目の誓約」
鳥居の合言葉だ、
私は目を閉じ、指先で中に円を描く。
すると、虫の音は消え、鳥居の奥にあった神社に漂う
闇がゆっくりと歪み始めた。
鳥居の周辺以外は時が止まっているようだ。
光の粉が 蛍のように舞い、向かい風が体全体にかかってくる それは 強くも弱くもなく とても心地よいものだ
まるで、夜空そのものが裂けてくるように 巨大な扉が姿を現す。扉には天界後で他宗教共存世界と書かれている
扉からは現世では生まれない、穏やかな鐘の音がうっすらと聞こえる。「ふぅ…」と一息つき、扉に手をかざす。
その瞬間、鳥居は眩しい光に包まれ 扉が開いた
扉の先には 階段がある。
一段目。
足を乗せた瞬間、周囲の空気が変わる。
地上の風は消え、代わりに神聖な光が彼の身体を包み込んだ。
二段、三段。
登るたびに雲は下へ遠ざかり、星々が近づいてくる。
階段の両側には、古代から存在していたような白い柱が並び、炎ではない光が静かに揺れていた。
私は振り返らない。
この道を歩くのは初めてではない。
何度もこの階段を登り、その先にある天界へ向かった。
最後の一段に足をかけた時、目の前に広がったのは、雲の上に浮かぶ神殿。そこでは、遥か昔から続く神々の世界が彼の帰りを待っていた。
雲の上に浮かぶ、巨大な神殿。
地上のどんな建築物にも似ていない。
白く輝く柱は天まで伸び、壁には何千年もの時を刻んだ神々の紋様が刻まれている。
静寂に包まれているはずなのに、そこには確かな生命の気配があった。
私は神殿の入口へ歩く。
扉は彼の姿を認めた瞬間、ゆっくりと開いていく。
中へ入ると、広大な空間が広がっていた。
中央には巨大な祭壇、神民を象徴する絵
その周囲には無数の灯火が浮かび、炎ではない青白い光が神殿を照らしている
「戻ったか」
奥から声が響く。
その声だけで、空気が震える。
私はは歩みを止め、神殿の奥を見る。
そこには、古き時代からこの場所を守り続ける存在が座していた。
「地上はどうだった」
問いかけに、私は静かに答える。
「変わってない。と言いたいが弱いはずの霊が、予想以上の力を持っていた 私は奴を倒せず…逃げられた」
神殿に静寂が戻る。
すると、無数に灯っていた光が一斉に揺れた。
まるで天界そのものが、彼の言葉を聞いているように。
男は祭壇の前へ進む。
ここは逃げる場所ではない。
彼が帰る場所。
奥の声は私に問いかけをした
「貴様はなぜ人間を相棒にしているのだ?人間は弱いお前は未だ、人間は あの時の様な活躍を見せてくれると考えているのか?」
私は静かに目を閉じた。
「だから面白いんだ、人間は私の期待を大きく更新してくれる、そして、人間と共存するのは正直 楽しい」
その言葉に、奥の声は 何かを私の言葉を聞き話すのをやめた
私は神ではない。
しかし、人間でもない。
天と地、その両方を知る唯一の存在。
だからこそ、この場所へ戻る資格を持っていた。
奥の声の正体は絵画から飛び出してきた
飛び出てきた男は白銀の髭を蓄え、紀元前の賢者を思わせる威厳を放っていた。深く刻まれた皺には長い年月の知恵が宿り、鋭い瞳は世界の真理を見つめているように見えた。背中に広がる純白の翼と優雅な衣は、まるで天界から降り立った神聖な存在のようだった。彼の姿には力ではなく、知識と経験による静かな強さが満ちていた。
長き時を超えて知恵を守る賢者。ソクラテス
ソクラテスは穏やかな表情で言った。
彼は神殿の外に広がる世界を見る。
「久しぶりだね、仲月君、いや… ゼウスジャクソン君…
人間の世界には、まだ解けていない謎がある」
ソクラテスは静かに笑った。
「君は昔から変わらないな。答えを求め続けている」
「先生も同じでしょう」
ゼウスジャクソンは振り返る。
「あなたは死んだ後も、知恵を探し続けている」
ソクラテスは少し目を細めた。
「私は知っていることなど何もない。ただ、知らないということを知っているだけだ」
その言葉に、神殿の灯火が揺れる。
「しかし、あなたは多くの者から賢者と呼ばれている」
「それは人々が勝手につけたあだ名のようなものだ」
ソクラテスは祭壇へ歩く。
「本当の知恵とは、力を持つことではない」
「では、何だと言うのですか」
ゼウスジャクソンが問う。
ソクラテスは静かに答えた。
「自分の無知を認め、それでも真実を求め続けることだ」
沈黙。
やがてゼウスジャクソンは小さく笑った。
「やはり、あなたには敵わない」
「違う」
ソクラテスは首を振る。
「君は力で道を開く者。私は問いで道を開く者だ」
「方法が違うだけで、向かう場所は同じなのかもしれんな」
2人は並んで天界の外を見る。
遥か下には、人間の世界が広がっていた。
争い、迷い、それでも歩み続ける世界。
ソクラテスは呟く。
「人間は不完全だからこそ、成長できる」
ゼウスジャクソンは答える。
「だから俺は、まだ人間を見捨てられない」
その言葉を聞き、ソクラテスは微笑んだ。
「ならばまた行くといい」
その背中を、天界の賢者は静かに見送っていた。
その時だった。
神殿の外で、大きな音が響く。
空が裂ける。
天界の結界が、何者かによって揺らされた。
無数の灯火が一斉に消える。
神殿全体に声が響き渡る
「聞け、神々よ」
その声は、天界の隅々まで響き渡った。
「お前たちは何千年もの間、人間に答えを与え続けた」
「善とは何か。悪とは何か。正しさとは何か」
声の主は笑う。
「だが、それは本当に人間自身が選んだものか?」
神殿の奥。
ソクラテスは黙って彼を見つめる。
隣に立つゼウスジャクソンは、拳を握る。
声の主は続ける。
「神が作った価値など、所詮は人間を縛る鎖だ」
「人間は自らの力で新しい価値を作るべきだ」
黒い光が天界を包む。
「私は神を憎んでいるのではない」
「神という存在に頼り続ける人間の弱さを、壊しに来たのだ」
「ならば問おう」
「人間は本当に、神を必要としているのか?」
天界全体が沈黙する。
そしてゼウスジャクソンが問う
「……答えを探しに来たのか」
声の主は答える。
「違う、答えを壊しに来た。いつかはわかんがな」
そう言ったら声の主は話をやめ
神殿の静寂は戻った
コメント
1件
うおお、第4話読んだ!設定が深くてやばいわ…。ゼウスジャクソンが人間を相棒にする理由が「面白いから」って、もう最高すぎる。「人間は不完全だから成長できる」ってソクラテスの言葉とか、天界の結界を揺るがす「答えを壊しに来た」って敵の登場で一気に緊張感が高まったね!次回、どうなるの?待ちきれない🔥