その言葉に渚ちゃんは驚いたように僕の顔を見上げ、目を見開いた。その拍子にぽろっと渚ちゃんの目尻から涙が一筋溢れる。
だけど、僕は自分の意見を曲げるつもりはない。
「振ってやって正解正解、大正解!だってこんなにも自分のために頑張ってくれてた渚ちゃんを、最後の最後で突き落としたんだから」
「そう、ですか?」
「うん。第一、女の子に手をあげようとする男は最低だし」
「……そうですよね」
「それにさ」
すっかり涙が止まった渚ちゃんの唇に手を伸ばし、キラキラとしたラメの入ったグロスを親指で拭う。
「こんなグロス塗らなくても、渚ちゃんは充分可愛いよ」
「…………」
「よく頑張ったね。偉い」
今日の大人びた渚ちゃんももちろん可愛い。でも、毎朝コーヒーショップで見る、ナチュラルな渚ちゃんの方が、自然体でいいと僕は思う。
鳩が豆鉄砲を食らったような表情をした渚ちゃんは、長いまつ毛を揺****************
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