テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
207
五木友人
8,421
才川奏美
1,078
▓▓ ▓【偽名:畠中 幸人】/現在
いろいろな準備をしながら迎えたテロ当日に、僕と〘オウム〙と〘鳩〙は福岡にある大人気ショッピングモールの2階にあるフードコートで部活帰りの剣道部風の格好で食事をとっていたが、他の人たちは、10階より上の階で待機している。
「胃が痛い」
ウウッと、うめく〘オウム〙の目の下には少々クマがあった。
「後3分後だぞ」
そう言いながら、お盆に乗ったうどんをたいらげて、返却口へ持っていく。そして三人ともそれぞれが個室に入り、剣道部風のバッグからマスクとジャンパーを羽織り、インカムもつけた。市内袋から小型の木刀と小刀を取り出し、腰に差した。腕時計が午後1時を知らせた時、僕らは
剣道部風のバッグと空の竹刀袋を持ったままトイレの個室から出て、外に出た。と同時に、爆弾が爆発した。
「全員、問題はないか?」
『『「はい」』』
爆発が起きた瞬間。——〘爆弾魔〙。爆発停止。 半径12km圏内。決定。
この能力を使えば、1回目の爆発も防げたが、僕らが何の被害もなく動けば、僕らの方が犯罪者に見えてしまうからの致し方ないものである。
「全員怪しい動きをしているやつを中心に捕獲。」
『『了』』
「さぁ、行きますよ」
『『「Let‘s enjoy」』』
全員の気合に満ちた声が聞こえる。
まずは剣道部風のバッグと空の竹刀袋を、コインロッカーにしまう。
僕らの目の前にも、そこらの雑貨屋でも売っていそうな安い面をかぶった集団が、銃を乱射しようとしたが、銃が打てないことに慌てふためいているものを、木刀で後ろ首付近を峰打ちする。銃は主に薬莢と銃弾の間にある爆発物を爆発させているため、僕の能力が発動した瞬間に使用が不可能になるのである。
しかし、そこにいた買い物客は、皆スマホを片手に動画撮影をしている。これが今の日本国民の現状だ。
『救いようがねぇな』
〈オウム〉がボソリとインカムでぎりぎり拾えるほどの声で毒づく。まったくもって同感である。これが日本の平和ボケである。
「ぼさっと見ていないで逃げろ。本物のテロだぞ。平和ボケしすぎだ。早くいけ。」
そんな風に言われても平和ボケをしすぎているせいで嘘だと思って逃げないアホのうちの一人が、ピエリストに首に刃物をあてられて人質にされた。しかし、そこまでされても劇の一環だと思ってへらへらしているあたりがもう救いようがない。
そしてそんな風に刃物を首にあてられていくうちに、皮膚が切れたようで血がつーっと刃物をつたう。そこまで来てやっと、本物のテロだと気付いたようで暴れ始め、それで見物人たちが本物だと気付いたようである。〈オウム〉と僕は、ほぼ同時に呆れてため息をついた。
〈オウム〉がスッと動き、木刀できれいに峰打ちをくらわせる。
「これで分かっただろう、早く逃げろ。」
と言いながら階段の方を親指で示した。
そして、ものの数秒で近くには〈オウム〉と僕だけになった。
そしてスマホから、萩野さんに電話をし、機動隊が中に入っていいという結果報告をした。
ダダダダダダッと遠くの人の足音がして、僕らのもとに機動隊が来た。かちりとマスクについているボタンを押し、声を変える機能を発動させる。
「初めまして」
今までとまったく違う声が流れる。
「お前が〈梟〉であっているか?」
機動隊のリーダーらしき男が尋ねる。
「えぇ、僕らは極秘でお手伝いさせていただいています。」
「敵の数の予想は?」
「120程かと」
「了解した」
そう言って。何かを命令してすぐに機動隊の全員が散り散りになった。
『〈梟〉』
「はい」
『捕獲して拷問室に連れて行きます。〈鳩〉を動かしてください』
「了。〈鳩〉働け」
「チッ、ブラック企業が‥‥」
「ブラック?いや、アットホームな企業と言ってほしいね」
「あぁ!ほんとうにそうだなぁ!」
〈鳩〉が若干キレ気味に反応する。キレながらも仕事をする。いい同僚を持ったものだ。まぁ、一番いいのは何も言わず命令された仕事をする同僚である。
「〈オウム〉敵の気配は?」
「ないよ」
「何階にいますか?」
「雑音が多すぎてわからない。」
「分かった。全員報告を」
『11階で機動隊が一方的に捕獲中』『24階敵の反応はなし』『6階ピエリストを6名殺害してしまいました』『18階水素ガスボンベと爆弾発見』
そんななか、〈鳩〉が、僕の服の袖の内側にある魔法陣から現れる
「〈鴉〉いますか?」
『はい』
「敵からの情報です。ここから108㎞離れた所にある廃工場が次のテロの場所です。」
『了。〈白梟〉と〈オウム〉と〈鶴〉行って』
的確に〈鴉〉が命令をする。
『『『了』』』
即座に、〈白梟〉と〈鶴〉がその場に表れて〈オウム〉を連れて行った。
「意外にも早かったじゃないか。」
「時間が空いていそうだったので〈カササギ〉を使いました。」
「今回はよかったけど、2度とつかわないでください。」
「‥‥了」
少々不貞腐れた顔をしているが、こればかりはいたしかたない。
「さて、僕も戦っていきますか。敵はどこにいるんだろう。〈鳩〉拷問での内容を教えて」
「8階4番倉庫 12階レストランの8番席の荷物入れ 18階本屋の趣味の園芸の右から3つ目の在庫の引き出し 21階のコインロッカーの8と29 25階の展望台の中心部の観葉植物のところです。皆さん解除お願いいたします。」
『『了』』
「じゃぁ8階に行こうか」
僕らは階段を上って、8階に着いた。
8階の4番倉庫の中のダンボール内に、8個あった。型はよくある型だったので簡単に解除することができた。
『〈鶴〉の死亡が確定しました。付近の温度の高さや空気中の毒性の無さ、そして酸素の少なさから爆発があったうえでの焼死と考えられます。』
冷静でまったくもって感情がこもっていない、残酷な報告が僕らの耳についているインカムを通して伝えられた。僕らの組織では全員の体のどこかに生体反応があるかどうかを確認するための装置がつけられており、それが消えると周りの温度や湿度などが測られ、即座に死亡理由が割り出される仕組みになっている。
「〈オウム〉と〈白梟〉は?」
『‥‥無事です』『‥‥問題ありません』とインカムに二人の声が聞こえる。
「後で状況説明を。今は戻ってきてください。」
『『‥‥了』』
すぐに、僕の服の袖の内側から陰気な顔をした〈白梟〉と〈オウム〉が出てくる。それを目撃したピエリストたちは驚きを隠せないでいた。そして〈白梟〉と〈オウム〉出てくるとすぐに土下座をした。
「「すいませんでした」」
「後で聞く。今は敵に集中してください。」
「「了」」
30人余りいたピエリストたちはわずか数分もかからず全員殺害された。
『終了しました』『終了しました』といろいろなメンバーから終了の報告が届いたため、コインロッカ-まで戻り、荷物を回収してから、全員を一度15階に集め、場所で拷問室に転移した。
「‥‥お疲れ」
拷問室にはもうすでに〈カササギ〉がいた。そして全員が椅子に腰かけたのを見て〈鴉〉が話し始めた。
「今回〈鶴〉が死亡しました。何があったのかをきちんと説明してください。〈オウム〉」
「俺は、報告された場所に行きました。そこには大量の死体がありました。ピエリストたちの死体が散らばっていて、もはや原形をとどめていないものさえありました。それで、殺したのはたぶんリーダーだと思われます。ペストマスクをつけていて、服は真っ黒な中に真っ赤な血しぶきが付いたマントを羽織っていました。それでマントからは銃と刀がのぞいていて、僕らが入ってきたのを見て特に何も言わずに去っていきました。」
「どうやって去ったんですか?」
「後ろにいた魔術師が触れた瞬間に消えました。それから、どこかに何かないかと思って探してみたら子供達がいたました。口にガムテープを貼られていて、手首を縄で縛られていました。それで、子供たちを逃がそうと思ってガムテープを外したら子供が言ったんですよ『爆弾』って。〈鶴〉はそれでどこかに爆弾があると思って子供たちを避難させようとしたんですよ。それで子供2人を持ち上げて、1 2歩進んだらピッて音がして、子供たち全員の体が爆発したんですよ。腹から。それで俺は〈白梟〉にとっさの機転で何とか逃げられてんですけれど、一番近い転移場所に着いた時に〈鶴〉の死亡が告げられました。」
「分かった。これについては致し方がないことです。萩野さんには伝えておきます。はい。じゃぁ解散」
僕がそう言って解散となった。
自宅に帰り、萩野さんに電話をかけた。
「井の中の蛙」
『大海を知らず』
「されど」
『長生きする』
「で?どうしました?」
『いや、けが人などはいるかと』
「〈鶴〉が死亡しただけです。」
『〈鶴〉の死亡はわかっている。彼の仕事は海外勢に頼みます。それと、全員には、ねぎらいの言葉と「死ぬな」と‥‥』
「僕じゃなくてあなたが言った方がみんな喜びますよ。」
『そうか、じゃぁそうする。』
ツーツーとまたすぐに電話を切られた。
寝ようと思い、スマホをボンッとベッドの上においた。それから間もなくして、スヤリ スヤリと眠った
コメント
1件
第9話、読み終わりました…っ🥀 今回もずっしりくる展開でしたね…特に〈鶴〉がまさかあんな形で…子供たちに仕掛けられた爆弾って、もう本当に胸が痛いです。無邪気な存在が兵器にされる描写、すごく重かったです。 でも、その中で〈梟〉たちが淡々と任務をこなす感じが逆にリアルで、組織の冷たさと温かさのバランスが絶妙だなって思いました。萩野さんとのやりとりも好きです。ゆのさんの書く暗さ、ちゃんと美しさがあって尊敬します🌙 続き気になります!