テラーノベル
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雑誌の撮影現場。待ち時間、深澤辰哉はスタジオの隅にある長椅子で、小さくなってスマホを弄っていた。
ふと、背中に温かくて大きな質量を感じた。
「……ん?」
振り返る間もなく、深澤の体は宙に浮いた。
背後から忍び寄ったラウールが、深澤をひょいっと抱き上げ、そのまま自分の膝の上に座らせたのだ。
「……うわっ、ラウール!? びっくりしたぁ!」
「ふっかさん、捕まえた」
ラウールは無邪気に笑うと、深澤の腰に長い腕を回し、自分の胸板に背中を密着させた。
190cmオーバーのラウールに抱きすくめられると、深澤は完全に子供サイズだ。
「ちょ、ラウ! 降ろせって! 俺、最年長だぞ!?」
「関係ないもーん。ふっかさん、今日元気ないでしょ?」
「……え?」
ラウールが深澤の首筋に顎を乗せ、耳元でクスクスと笑う。
「僕には分かるよ。ふっかさん、充電切れかけてる」
「……う……」
「だから、僕が充電してあげる。……僕のエネルギー、全部あげるから」
ラウールが深澤を抱く腕に、ぎゅっと力を込める。
その力強さと、背中に伝わる体温の高さ。
かつては「育ててあげる対象」だった末っ子が、今はこんなにも大きくなって、自分を包み込んでいる。
「……お前、デカくなりすぎなんだよ……」
「ふふ。ふっかさんを守れる大きさになったんだよ」
ラウールは深澤の手を取り、自分の大きな掌と合わせた。
サイズの違いは歴然だ。
「見て、ふっかさんの手、ちっちゃい。可愛い」
「……男に可愛いとか言うな」
「だって可愛いんだもん。……ふっかさん、僕の前ではお兄ちゃんぶらなくていいよ」
ラウールが深澤の髪に頬ずりをする。
「僕はふっかさんのこと、誰よりも大切に思ってるから。……だから、安心して僕に甘えて」
「……ラウ……」
10歳以上年下の相手に、こんなふうに甘やかされるなんて。
でも、その巨大な腕の中は、悔しいほど安心感があって、温かい。
深澤は抵抗する力を失い、ラウールの胸に頭を預けた。
「……生意気だなぁ、ラウールは」
「んふふ。愛ゆえに、だよ」
「……重い愛だな(笑)」
「重いよ? 僕の体重くらい重いよ?」
ラウールは楽しそうに笑うと、深澤の側頭部にチュッとキスをした。
「……大好きだよ、ふっかさん。……少し寝てていいよ。僕がずっと抱っこしててあげる」
「……ん。……ありがとな」
最年長のプライドも、年齢差も、この圧倒的な包容力の前では意味を成さない。
深澤は、自分専用の「大きなゆりかご」に身を委ね、心地よい揺れの中で瞼を閉じた。
next…なべふか 1/22
コメント
12件
いいねー!サイコー! ふっかいつもお疲れ様! ラウたくさん甘やかしてあげてー! 続き待ってます!
うわっ、最高すぎます.. 最近ラウのBLが読めるようになってきました ٩(๑>∀<๑)۶