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スターティン♡
カーテンの隙間から朝日が差し込む――
愛空「……ん……」(ゆっくり目を開ける)
(……朝……?)
体を少し動かす
愛空「……あれ……だるさ……引いてる……」
(昨日より全然マシ……)
ふと、違和感
愛空「……ん?」
自分の手
誰かの手を――握っている
愛空「……え」
視線を横に向ける
すぐ隣
知枝「……」(ベッドにもたれたまま、少しだけ眠っている)
愛空「……っ!?」(一瞬で目が覚める)
(え、え、え……!?ちとせさん!?なんで!?いや昨日の……!?)
思い出が一気に蘇る
雨、倒れたこと、家、看病――
そして
手を繋いだまま寝たこと
愛空「……まじかよ……」(小声)
(手……ずっと……?)
そっと、握っている手を見る
愛空「……」
(離す……?いや……)
一瞬迷って
愛空「……」(そのままにする)
(……もうちょいだけ……いいっしょ……)
その時――
知枝「……ん……」(わずかに動く)
愛空「……っ!?」
(やば、起きる!?)
知枝「……」(ゆっくり目を開ける)
視線が合う
数秒の沈黙
知枝「……おはようございます」(落ち着いた声)
愛空「……おはよっす……」(ちょっとぎこちない)
沈黙
二人とも――手を繋いだまま
愛空「……」
知枝「……」
愛空「……あの……」
知枝「……はい」
愛空「……手……」
知枝「……そうですね」
さらに数秒
どちらも離さない
愛空「……ちとせさんから離してくださいよ……」(ちょっと笑う)
知枝「……あなたが握っているんですが」
愛空「……あー……確かに……」
それでも
愛空「……離します?」
知枝「……どうしますか」
愛空「……え、聞くんすかそこ……」
知枝「……」(少しだけ口元が緩む)
愛空「……じゃあ……もうちょいだけ……」
知枝「……仕方ありませんね」
愛空「……やった……」(小さく笑う)
少しして
知枝「体調はどうですか」
愛空「……だいぶマシっす……昨日より全然」
知枝「それは良かった」
愛空「……看病、ありがとっす……」
知枝「いえ」
愛空「……普通、帰りますよね……あそこまでしないっすよ……」
知枝「……」
少し間を置いて
知枝「……放っておけなかっただけです」
愛空「……」
(それ、普通に嬉しいんだけど……)
愛空「……優しすぎっすよ……」
知枝「……そうでもありません」
愛空「……いや、そうっす」
視線が合う
また少し近い距離
愛空「……」
(……なんか、昨日より意識する……)
知枝「……どうしました」
愛空「……いや……」
愛空「……やっぱ近いなって……」
知枝「……またですか」
愛空「……でも嫌じゃないっすよ」(ぽつり)
知枝「……」
一瞬だけ、言葉が止まる
愛空「……」
(あ、またやらかしたか……?)
知枝「……そういうことは」
知枝「軽々しく言うものではありません」(少し低い声)
愛空「……すんません……」
でも
知枝は手を離さない
少しして
知枝「……そろそろ、仕事に行きます」
愛空「……あ、はい……」
(……行っちゃうか……)
手がゆっくり離れる
愛空「……」(少しだけ寂しそう)
知枝「……学校は休んでください」
愛空「……はい……」
知枝「無理はしないように」
愛空「……っす……」
ドアの前
知枝「……では」
愛空「……ちとせさん」
知枝「はい」
愛空「……また……会えますよね」
知枝「……」
少しだけ振り返る
知枝「……どうでしょう」(いつもの少し意地悪な言い方)
愛空「……またそれっすか……」
知枝「……ですが」
知枝「会えたら、嬉しいですね」
愛空「……俺もっす」
知枝「……では」
ドアが閉まる
愛空「……」(一人になる)
静かな部屋
愛空「……はぁ……」(ベッドに倒れる)
愛空「……やば……」
愛空「……めっちゃ、意識してる……」
(これ……)
愛空「……普通じゃねぇよな……」