「ここで会って百年デヤンす。」
イリスに肯定的な態度の教師が武器を構える。
「百年じゃねぇよ。ボケナス…….97年だ…..」
イリスに否定的な態度の教師が魔法で炎を次々と浮かび上がらせる。
この二人以外にも、二つに分かれた審議所では睨む合う教師で飽和状態だ。
事の発端である鉱山生徒はポカーンと口を開けている。
思考放棄状態か…………
被害者のイリスも同じく思考放棄状態に入っていた。
モヒカン達は腰を抜かし、お互い抱き締めあいながら、恐怖に耐えている。
常人だと気絶する程のプレッシャーがずっと襲いかかってくる。
モヒカン達が腰を抜かすのに無理もない。
俺がナンとかしたい状況なんだが、イリスが気を確かめてない以上、俺はウンともスンとも動けない。
ドンドン大きくなる緊張感。
命の危機を感じ、鋭く研ぎ済まされる五感。
今すぐにでも、刃を交えそうな教師達が雄叫びをあげようとしたが、
「……..全員、吠えるな…….五月蝿い…..」
背中に悪寒が走る。
ナカユビに背中があるかは知らないけど。
遂に堪忍袋を切らしたイケオジ教頭が、鬼の形相になって教師達を黙らせた。
そしてイリスに先程はし損ねた問いを投げ掛ける。
「…….イリス・ヘル・タナトス…..君は今後、誰かを傷つける行いをするのか?」
『来た……イリス。』
「……ッ!は、はい!き、傷つけません!!」
イリスからの返事を聞き、イケオジ教頭が目を瞑って呟いた。
「そうか…….」
そこにちょっと待ったーと小太りのオッサンがストップをかける。
「正気か?!我がハデシスの生徒に暴行を加えようとしたんだぞ?!」
お前こそ正気か?もう、殆ど判決は決まっているんだ。そこに文句をつけるのは自滅に他ならない。
「彼女もまた、ハデシスの生徒だ…..口を慎め。」
「”だからこそ”だ!生徒内に殺人鬼がいる事実だけで二千年続いたハデシスの名誉は傷つく!何故それが分からない!」
「この程度の事で傷つく程、ハデシスの名誉は脆くない………口を慎め。」
「貴方と言葉遊びをしてるつもりはない!校舎内で王女は魔法を行使し、あまつさえには剣を無邪気な生徒に向けた!」
「私もそのつもりだ…….その生徒は傷一つ負っていないがな………….口を慎めと言っているゥッッ!!!【パクタスント・ミラ】!!!」
黒く光る縄が小太りのオッサンを縛り上げる。
「おい!解かせ!私がハデシスを守らなければならんのだァーー!」
呻きながら叫ぶオッサンを無視して判決を下す。
「A級コーナトゥス。イリス・ヘル・タナトス!!!A級としての特権を全て剥奪!D級からのやり直しとする!!」
「は、はい!」
なにが罰なのかよく分からないが、これで審議が終わるなら何だって受け入れよう。
俺が受ける訳じゃないし。
ちっちゃいハンマーを叩いて終了の音を響かせる。
「これにより、第千九百回の審議を終了とする!解散!!」
審議が終わった❗
学園偏に入れる❗
これまでが物語の25分の1でした(構想は25分の3までにしか練っていない。話の終わりが見えない。)❗
長い道のりになりますが、一緒に来てください‼️
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