テラーノベル
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放課後。
誰もいないと思っていた廊下で、
腕を掴まれた。
「ちょっと来いよ」
低い声。
笑っている。
「先生に呼ばれた、とか?」
嘘だと分かる。
でも、逆らえない。
連れて行かれたのは、
閉鎖されているはずの屋上への階段。
「ここ、使えないんじゃなかったっけ」
震える声で言うと、
鼻で笑われた。
「だからいいんだろ」
扉が閉まる音。
重い金属音が、やけに大きく響く。
風が強い。
フェンスの向こうに、空。
逃げ場がない。
「さぁ」
ポケットから、きらりと光るものが見えた瞬間、
おらふくんの視界が、ぐらりと揺れた。
――まただ。
――また、誰もいないところ。
「前もさ」
耳元で囁かれる。
「消えたいとか思ったんじゃないの?」
喉が、鳴る。
「だったらさ」
一歩、近づかれる。
「俺らが、背中押してやるよ」
足が、動かない。
声も、出ない。
手が、伸びてくる。
その瞬間――
「離れろ!!!!!」
屋上の扉が、勢いよく開いた。
「――おらふ!!!!」
おんりーの声。
空気が、一変する。
「……なんだよ」
舌打ち。
「チクったのか?」
おんりーは、何も答えない。
ただ、一直線におらふくんの前に立つ。
完全に、壁になる。
「一歩でも近づいたら」
低く、はっきり。
「次は警察呼ぶ」
風の音だけが、響く。
「……もう大人も、先生も、全部動いてる」
「ここに連れ出した時点で、終わりだ」
相手の顔から、余裕が消える。
「……くそ」
そのまま、背を向けて去っていった。
扉が閉まる。
おらふくんは、
その場に崩れ落ちた。
「……だめだ」
声が、震える。
「……また、こわくて」
おんりーは、すぐにしゃがみこんで、
肩を掴んだ。
「大丈夫」
でも、否定はしない。
「怖かったな」
その一言で、
堰が切れた。
「……また、ひとりに、なると、思った」
おんりーは、強く、強く抱きしめる。
「ならない」
即答。
「もう、絶対に」
そのとき――
頭の奥で、何かが、かすかに重なる。
昔、泣きながら屋上の影に隠れていた記憶。
手を引いてくれた、同じ声。
「……あれ」
おらふくんが、呟く。
「……前にも」
おんりーの呼吸が、一瞬止まる。
「……思い出した?」
過去が、
少しずつ、つながり始めていた。
コメント
7件
ないすうううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅう⤴︎(( え、まってどーゆーこと、!?きになるううえええああああ((おちつけってよこのあほが