テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#リゼロ
すず
144
33
第64話『怪鳥と老将』
全面戦争が始まった。
オルド対黒牙。
呉鳳明対黄雷。
李牧・春申君対炎獄。
王翦対蒼厳。
各地で激戦が繰り広げられる。
しかし。
まだ動いていない軍があった。
秦軍左翼。
桓騎軍。
そして。
蒙驁軍。
二人は本陣近くで待機していた。
副将が尋ねる。
「攻めないのですか?」
蒙驁は豪快に笑った。
「慌てるな。」
「戦は流れを見るものじゃ。」
一方。
桓騎は丘の上で戦場を眺めていた。
「へぇ。」
「面白ぇな。」
黒龍軍の動き。
蒼厳の陣。
黄雷の騎兵。
全てを見ている。
副官が聞く。
「どうします?」
桓騎の口元が歪む。
「まだだ。」
「獲物が油断するまで待つ。」
その頃。
中央戦線。
王翦軍と蒼厳軍が激突していた。
だが。
蒼厳の統率は異常だった。
崩れない。
何度攻めても。
すぐに陣形が修復される。
王翦の副将が驚く。
「なんだあの軍は…。」
王翦は静かだった。
「なるほど。」
「確かに怪物だ。」
しかし。
その目には焦りがない。
王翦もまた。
何かを待っていた。
その時だった。
黒龍軍後方。
突然。
悲鳴が上がる。
「敵襲!!」
「後方だ!!」
蒼厳軍が混乱する。
副官が叫ぶ。
「どこから!?」
報告が飛び込む。
「桓騎軍です!!」
蒼厳の目が細くなる。
いつの間にか。
桓騎軍三万が敵後方へ回り込んでいた。
村を経由し。
谷を抜け。
山道を利用した奇襲。
黒龍軍の補給拠点が炎上する。
ドォォォォン!!
食糧庫が爆発。
兵士たちが混乱する。
桓騎が笑った。
「引っ掛かったな。」
「戦は正面からやるもんじゃねぇ。」
その瞬間。
前線では。
蒙驁軍が動いた。
「全軍突撃じゃあ!!」
老将の咆哮が響く。
秦軍が一斉に前進。
混乱した黒龍軍へ襲いかかる。
蒼厳軍の左翼が揺らぐ。
初めてだった。
開戦以来。
初めて蒼厳軍が押し込まれる。
王翦はその光景を見て呟く。
「来たな。」
王翦。
桓騎。
蒙驁。
秦国三将が連携した。
その圧力は。
黒龍軍すら無視できない。
一方。
蒼厳は燃える補給拠点を見つめる。
そして静かに言った。
「なるほど。」
「これが桓騎か。」
しかし。
彼の表情に焦りはない。
むしろ。
わずかに笑っていた。
「面白い。」
そして。
副官へ命じる。
「第二陣を出せ。」
副官の顔色が変わる。
「まさか…。」
蒼厳は頷く。
まだ。
本当の戦力を出していなかった。
次の瞬間。
黒龍軍後方から。
新たな大軍が動き始める。
その数。
十万。
戦場は再び大きく動こうとしていた…。
コメント
1件
うわっ、第64話…すごい熱量ですね🔥 全面戦争がついに始まったって感じで、各将の一手一手が重くて、読んでて手に汗握りました。とくに桓騎の“獲物が油断するまで待つ”っていう余裕と、蒙驁の“戦は流れを見るものじゃ”っていう老練さが対照的で、キャラ立ちがめちゃくちゃ良いなって思いました。でも蒼厳もまだ本気出してなかったっていう……この先、どうなるんだろう。続きが気になって仕方ないです🍙さん、熱い戦場をありがとうございます🥀🤍