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「笑えてるの？」
後ろからそんな声が聞こえた。
わたしの声……なのかな。いや……昔の、自分の声かな…。
そんなことを思いながら後ろを向くと、自分の子供の頃の姿が立っていた。
笑えてるの………あはは、
「……笑えてるよ」
不自然な笑顔を作って、そう言った。
笑えてるかって言われても。鏡で確認しなくても分かるよ。
笑えてないんだってことも……………。
……どんなときでも、アイドルは笑顔を届けなきゃいけない。笑顔じゃなきゃいけない。ファンを安心させるために。ファンが形作っているわたし達の想像図を崩さないために。
……疲れちゃったな。
