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界隈外からもコメントが殺到する。「可愛い」とは程遠く、むしろ真逆の感情――「怖い」で埋め尽くされていた。
私はすぐに投稿を消し、アカウントに鍵をかける。
そして、恐る恐る、写真をもう一度見返した。コメントが指摘していた通りの場所――私の背後、クローゼットの隙間を凝視する。
「……写ってる」
そこに確かにいる。男だ。私の後ろ、わずかに開いたクローゼットの扉の隙間から、じっとこちらを見つめている。
もちろん、クローゼットを開ける勇気などない。せいぜいできることといえば、食塩で盛り塩を添えるくらいだ。効果がないのは知っている。
でも、せめてもの気休め。
どうにか落ち着こうと検索し、調べに調べてたどり着いたのが――『AI心霊鑑定アプリ』。
AI心霊鑑定――。
いかにも胡散臭い響きで、正直なところ私は半信半疑だった。
けれど、その時の私はただ早く安心したかった。異様に広がったバズを、どうにか収めたかった。その気持ちだけで胸がいっぱいになっていた。
思えば、占いだって似たようなものだ。
都合の良い結果は喜んで信じ、都合の悪い結果はなかったことにする。そんなふうにして人は折り合いをつける。
どうせ笑われるのは目に見えている。
それでも、この鑑定結果で「心霊の可能性なし」と表示されるのなら──その瞬間をスクリーンショットして投稿してやるつもりだった。
そうすれば、あの写真はただの勘違いだと、誰の目にもはっきりと知らしめることができるからだ。
無論、この鑑定で「心霊現象の疑いあり」などと出れば、その結果を投稿するつもりは毛頭なかった。
「……早速、確かめよう」
証明してもらう。気のせいだと。
私は覚悟を決め、訳ありの一枚をアプリに読み込ませた。
続く