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彼がジュエリーボックスを開くと、仲良く並んで納めらている二つのネックレスが、存在を主張していた。
まるで、今の恵菜と純を象徴しているみたいで、二人の表情から微笑みが漏れ出る。
「おおぉ…………いいねぇ」
純がニッコリしながら、ピンクゴールドのネックレスを恭しく取り出した。
「恵菜に付けてもいい?」
「はい。お願いします」
彼が留金を外すと、彼女のほっそりとした首に手を回し、ネックレスを装着させる。
色白の恵菜の肌に、ピンクゴールドの小ぶりなペンダントヘッドが映えている。
「恵菜…………すげぇ似合うよ」
「ありがとうございます…………」
「じゃあ……俺のネックレス、恵菜に付けてもらってもいいかな?」
「もちろんです」
恵菜がメタリックブラックのネックレスを手にして、留金を外す。
純がしてくれたように、彼女も丁寧に純へネックレスを首に掛けた。
「純さんも…………すごく似合ってます」
「良かった。俺、アクセサリーを付けるの、実は初めてなんだよ」
「わぁ…………そうだったんですね!」
揃いのペアネックレスを身に着けた二人は向き合い、互いに照れながら笑みを見せた。
「恵菜。このネックレスは、俺から恵菜へのプレゼントな? あとは……そうだな…………俺と恵菜の、揺るぎない絆と想いが込められたネックレスだ」
「嬉しい……です。ありがとうございます……。純さんからの初めてのプレゼント…………大切にします」
不意に純が、真顔で恵菜に語り掛け、細い指先をキュっと握る。
「正式に恋人同士になって、まだ一週間くらいだけど…………俺は…………これから先もずっと…………恵菜を笑顔にしたい」
遠くで美しく輝きを放つ夜景をバックに、純の面差しが朧気に浮かぶ。
「純…………さん……」
「恵菜は離婚後の人生を歩み始めて、半年以上だよな。君の第二の人生の幕開けには…………恵菜の隣に、俺がいられたら……すげぇ嬉しい」
純の深い想いを聞いた恵菜は、口元に手を当てながら瞠目した。