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トラックが横から来てる。
彼女はそれに気がついていない。
死なせたくない。…死なせない。
それと同時に僕の中で彼女の顔が赤く染まった。
俺は運転手に揺さぶられながら、恐怖や後悔、焦りで頭が真っ白になった。
……もっと…。…。
俺の名前は田中。
至って普通のどこにでもいそうな男だ。
特に特技もなく、できることも無い。
そんな俺はこの世界が**大嫌い**だ。
理不尽で 差別的で つまらなくて 常に嘘が飛び交うこの世界が**大嫌い**だ。
そんなふうに考えていても何も動かないし始まらない。
そんなことはわかってる。ただ、怖いことから逃げる理由を作ってるだけなのもわかってる。そんな俺に…。
好きな人が出来た。
この世の人なんてみんな嫌いだとおもってた。
嘘だと思った。
ただのス〇バの定員さんに恋するなんて。
俺は毎日ス〇バに通い、普通に話せるくらいにまで距離を縮めることが出来た。
いつしか、一緒に帰るくらいにまで距離を縮めることが出来た。
彼女のおかげで世界が変わった。
ちょっとだけ世界が**好き**になった。
俺にとってもっとも大切な存在。
そんな彼女を手離したくないという思いが生まれている時には、もう、俺は彼女に告白していた。
絶対嫌われる。
頭のどこかでそんな言葉が浮かんできた。
でも、彼女の返事は「いいよ。」の一言だった。
嬉しさで俺は大声を上げた。
彼女もとても嬉しそうだった。
絶対死なせない。
俺はそう誓った。
はずなのに。
横断歩道を無視したトラックが横から走ってくる。
彼女はそれに気がついていない。
死なせたくない。…死なせない。
それと同時に僕の中で彼女の顔が赤く染まった。
俺は運転手に揺さぶられながら、恐怖や後悔、焦りで頭が真っ白になった。
…もっと…。…。
生きたかったなぁ…。
気がつけば俺は暗い場所にいた。
彼女は大丈夫だろうか?
そんなことを無視するかのように黒い影がこちらに近づいてくる。
その黒い影はどこか泣いているようだった。
すると、その黒い影は俺の耳元で囁く…。
「お前の番だよ。」
その言葉を言われた瞬間、なにかが吹っ切れた。
さっきまでいなかったはずのもう1つの黒い影が不気味に笑ってる。
おれは、ここで気がついた。
この黒い影は……。
気づけば高らかに笑いながら
相手を探してる…。
おれは、この世界が**大好き**だ。