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「…………。うぅ。」
「……きろ。………起きろ!アレン訓練兵!!」
「うへぇ?」
揺すられ目を覚ますとそこは知らない場所。見渡す限りの白い世界に透明な氷の塊。更には水色に煌めくクリスタル。どうやらここは大寒波を迎えた地球のようだった。
「どうだ初めての地球は?」
「くっそ寒いっす…。」
「これでも人がまだ住めるレベルの寒さだそうだ。それに場所が違えば陽の光も浴びれるだろう。当時ほどの暑さは感じられないだろうがな。」
「寒いよりもそっちの方が個人的にはマシですよほんと……。」
「さて、こんな無駄話をしてないでとっとと基地を目指すぞ。ケンプファーがしっかりと基地付近に落としてくれたおかげでなんとかなるからな。」
「そんじゃあ向かいますか教官。」
「丸腰で今のこの星を動こうなんて阿呆だな。こいつらを持っていけ。」
そういい渡されたのは全隊員に支給されるサブマシンガンとサブウェポンとして使われる小型速射ミサイルの二種だった。
「弾に関しては心配するな。この星にも住み着いてるだろう『エネミュウ』達から得られるエネルギーを弾に変換してくれるだろうからな。」
「了解。」
脱出ポッドから降りて基地の信号が出てる方角に進んでいく。
「まさかこんなことになるとは…。」
「いい経験ができるなアレン訓練兵。」
「初の実戦がこんな形なのは自分望んでないです。」
「訓練よりも先に経験してるからな。が、当たり前だがこちらはお前の腕前には大して期待してない。とにかく指示を守り俺の後ろを着いてこい。」
「了解。」
急ぎ基地に戻るために背部に背負っていた小型ブースターを吹かして道無き道を進んでいく。途中道が途切れてる場もあったがブースターを上手く活用し超えたり、高台に登るために腕部に付けてるアンカーを活用し立体的に進んでいく。それなりに基地近づいて来た頃、またしても途切れた道があり先にリーマルが行きその後ろをアレンがついていったその時。その空いた穴場から大型エネミュウが現れる。
「下がれアレン訓練兵!」
「うわぁっ!?」
リーマルがサブマシンガンで牽制するも火力が足りず効いてる様子はない。しかしほっておくとそいつはここをよじ登り自分らを襲ってくるのは明らかだった。辺りを見渡し近くにあった巨大な氷の塊を見つけそこに弾倉が空になるまで放ちヒビが入ったのを確認するとすぐに速射ミサイルを放ちヒビを入れた氷を倒壊させる。これにより崖に捕まっていた大型エネミュウだが、崖ごと崩しソイツを谷底に落とすことに成功した。
「な、なんだ今の…。」
「基地付近にここまででかいエネミュウがいるとはな…。アレン先を急ぐぞ。」
再び基地を目指し先を進んでいくと突如何も無かった雪道にエネミュウが発生した。
「こいつは…。」
「『セプル』とそいつの巣『セプルア』だ。セプルアからは永遠にセプルが生み出されるから巣をまっさきに壊せ!」
「了解!」
セプルは四足歩行で花の蕾のような頭を持ってる生物で、訓練兵にも渡される武装でも簡単に倒せるほどの柔らかさである。弱点はクリオネのように頭部を広げた時の中身である。
セプルアは植物のラフレシアのような見た目をしておりその真ん中からセプルを生み出していく。彼自体に攻撃性能はない。
「訓練通り動けばやられることはない。出来るな?」
「任せてください!」
生み出されていくセプルを銃で破壊していきリロードの隙はブーストを活かした蹴りでカバーしていく。ある程度片付けた後セプルの巣であるセプルアを速射ミサイルで破壊し、第一陣はなんとか事なきを得た。
「セプルアはやはり少し硬めに作られてるのか…。」
「そういったものには速射ミサイルを使い速やかに破壊せよ。リロードの隙を埋めるためにメイン武装を使うようなイメージだな。」
「分かりました! 」
「ここにいつまでも居られないから先を急ぐぞ。」
アンカーを使い崖を超え、ブーストで渓谷を飛び越えランデブーポイントまであと少しと言ったところで事件が起きる。
「……っ!?この揺れは!?」
「教官!この反応って!」
「エネミュウだろうが反応がデカすぎる!」
「もしかしなくてもこれって…」
「さっき襲ってきたやつだろう。恐らくこの付近は現在アイツのテリトリーになってるんだ。構ってはられない!早急にここを抜け……。」
リーマルがそう言いかけた時背後から先程の大型エネミュウが奇襲をしかけ不意をつかれたアレンはそのまま吹き飛ばされ数メートル下に叩き落とされる。
「ガハッ……」
「アレン!?クソッ!今の武装では気を引くことも出来んのか!
アレン!!動けるのであれば後退しろ!ここならば回収班とも連絡が取れる!」
「りょ…了解………。可能な限り後退します。」
落ちた衝撃で武装を失い、背部につけたブースターも本調子ではなく自力で逃げることとなる。
「くっそまじかよ!?……。いきなり新型BSに乗せられたかと思えば…単機で大気圏突入からの大型エネミュウと追いかけっことか………笑えなさすぎるだろこれ!?
運良く落ちた場所が狭いおかげでアイツも俺を追いかけるのに時間を有するみたいだが、それでも俺がくたばるのは時間の問題…。リーマル教官マジで頼む……。救助隊を早く呼んでくれよ!」
なんとか追ってくる敵を視認しながら下がっていくが段々と大型エネミュウが近付いてくる。そして下がっていくと遂に行き止まりにまで追いやられてしまう。
「そうか…これは終わった?」
諦めかけたその時追ってきていた大型エネミュウの腕が破裂し地面に落ちる。
「うぉぉ!!?今の一撃で腕を飛ばしたのか!?」
その後反対の手を落とし更には追うための足も破壊。そして弱点部位と思われる腹を弾丸で貫かれその場に倒れ込み消滅していく。
「た、助かったぁ………。」
自身が助かったと確認し安堵からか緊張の糸が途切れアレンはその場に倒れ込む。それを上空の回収班と思わしきヘリから眺める2人がいた。
一人は赤い髪を束ねた女性と一人は白銀の髪をし自身の身長ほどのライフルを構える男性であった。
「不安定なヘリからの狙撃。良い腕してんねほんと」
「これくらい出来ないと上官や同期、なんなら後輩にも笑われる。」
「あのクソデカエネミュウ『パランザ』の各部位一撃で吹き飛ばしといて当たり前です、か?」
「襲った腕と片足を飛ばして腹を撃ち抜けばそれで済んだが、安全を取って無駄な弾を使わせてもらった。」
「スポッターが必要なら言ってくれればよかったのに」
「それは俺のプライド的になしだな。」
「男って面倒くさいなぁ」
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