テラーノベル
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奈緒との会話の後、一人になっても奈緒の言葉が頭から離れなかった。
会えなくて寂しい気持ち。
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それを我慢することが、本当に亮平くんのためになるんだろうか?
スマホを握りしめ、亮平くんにメッセージを送るか迷っていた。
『話したいことがあるの』
そう打ち込んでは消して、また打ち込んでは消して——。
そのとき、不意にスマホが振動した。
『ごめん、今週も無理そう』
たった一言。それなのに、まるで心の奥を突き刺されたようだった。
奈緒の言葉が頭をよぎる。
『自分の気持ち、大事にしなよ』
もう、伝えなくちゃ。
私は意を決してメッセージを打ち込んだ。
『亮平くん、ちゃんと話がしたい』
送信ボタンを押す指が震えていた。
メッセージを送った後、しばらくスマホを握りしめていた。
既読にならない画面を見つめながら、胸の奥がズキズキと痛む。
考えてみれば、私はずっと待っていた。
亮平くんが時間を作ってくれるのを。
ただひたすら、寂しさを飲み込んで。
でも、それじゃダメなんだ。
奈緒が言っていたように、私の気持ちも大切にしなきゃ。
しばらくして、スマホが震えた。
『ごめん。今夜、電話できる?』
その言葉に、少しだけ息が詰まる。
『うん。待ってるね』
そう返したものの、心臓がドキドキして落ち着かない。
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