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絶賛喧嘩中‥

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絶賛喧嘩中‥

6 - 第6話喧嘩がない愛は美しくない(イタリアの諺)

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2025年04月27日

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祐希Side



「良かったんすか?」


「‥‥‥なにが?」


「いや‥藍出て行きましたけど‥」


「別に‥」



藍と太志が食堂を出て行った後、有志から話しかけられるが、気にしていない素振りをしてしまう。


そんな俺の表情を見てくすりと笑う有志‥



「なに?」


「ああ‥すんません。いや‥祐希さん嘘つくの下手っすよね。さっきから気が気じゃないって顔してるのに。太志さんと‥ああ、いや、藍の方かな‥何があったのか知らないっすけど、早く仲直りした方がいいっすよ!藍の奴、泣きそうな顔してたし‥」




泣きそうな顔‥。脳裏に浮かぶのは涙目の顔。自分でも思うよ。ガキだなって。でも、それでも抑えきれない。藍の事になるといつもこうだ。



「そうだな‥」


ボソッと呟くとポンポンっと肩を叩かれた。有志の方が大人だな‥。それに比べて俺は‥







藍Side


自分の部屋に駆け込み、はぁと一息つく。

なんであんなにムキになってしまったんやろか‥。

そう思うがもう取り消せない。


「藍‥?大丈夫か?」


ふと気づくと、隣で太志さんが心配そうに覗き込む。俺に無理矢理連れ出され、いまだに手を繋いでいる状況に我に返る。



「あっ、すんません。勝手なことして‥」



慌てて手を離す。全然いいよ‥と笑ってくれる太志さんは相変わらず優しい。だが、思い出すのは‥祐希さんの事ばかりで‥



何だか酷く疲れた‥。



「太志さん、先にシャワー使ってもいいっすか?」



早く浴びてさっさと寝てしまおう。こんな日は早く寝るに限る。


「へっ?シャワー?‥‥‥‥あっ‥///そうか‥いいよ///お先にどうぞ‥俺も後で入るから///」


「?はぁ‥」


なんやろ。急に顔が赤くなって‥。

太志さんも疲れてるんやろか‥。


本当は先輩に先に譲るものだろうが余裕がない俺はそのままシャワーを使わせて貰うことにした。



シャワーから上がると、そのままベッドにダイブする‥。

まだ少し濡れた髪がパサリと顔にかかるのを鬱陶しく思いながらも‥指1つ動かす気になれなかった。


祐希さんは‥。

今ごろ何してるんやろ‥。



もういい!と啖呵を切ったくせに俺はまた祐希さんの事を考えているんやな‥阿呆らしい‥自嘲気味に笑うと‥次第に襲ってくる睡魔にそのまま身を委ねることにした。


微かに太志さんのシャワー音を聴きながら‥眠りの渦へと潜り込む‥。










「‥‥‥藍?」



「ん‥‥‥‥」



「‥藍ってば‥寝ちゃうの?」




「‥うーん、もう‥なんや‥ねん‥寝とんのに‥」



気持ちよく眠っていたのに‥俺を呼ぶ声が聞こえる。軽く揺さぶられる動作も加わり、寝ぼけながらも思わず唸り声をあげてしまう。

それなのに‥俺を揺さぶる動作は止まらない。



「起きねぇとキスするぞ」



耳元で囁く声。かなり近くで話し掛けられているようだ。



「う‥‥‥ん、もう‥‥分かったから‥」



酷く眠かった。とにかく寝たい‥その一心だったから。耳元で眠りを妨げている人物を確かめる事なく‥自ら口付けた‥。




ビクンと跳ねる身体。慌てたように俺から離れていき‥。


何だったのか‥考えを巡らすが‥それでも睡魔が勝ってしまい、意識を手放す。



だから‥



「藍‥いいの?抱くぞ‥ほんとに‥」





そう囁かれた言葉を聞き逃してしまう。






薄れつつある意識の中で‥





微かに唇を塞がれ、上着の中を弄られる感覚が‥







あったような気がした‥。








そんな気が‥。




祐希Side





「いいの?祐希?」



さっきも同じセリフを言われたな‥そう思いつつチラリと智君を見つめる。

シャワー後のストレッチを入念におこなっているその姿に、藍の姿を重ねてしまう‥もう藍は寝てしまっただろうか‥アイツは寝るのが早いから。



「なにが?」



「なにがって‥藍に決まってるじゃん!今も本当は藍の事考えてたんだろ?顔に出てるぞ‥」




「‥んなわけないし‥」


「祐希ってさ、ほんと藍の事になると意固地になるよな。素直になればいいのに‥どうせ嫉妬したんだろ?また、笑」



指を差しながら笑う彼をムッとなって睨むが‥効果はないようだ。


「俺そんなにしてるつもりはないけど‥今回は藍が悪い!」


「‥王様ゲームの事? 」


「智君知ってるの?」




「小川から聞いた。いいじゃん、王様ゲームぐらい‥まぁ、小川が調子乗ってやや下ネタになったのはアレだけど‥藍もさ、周りに人がいればノリでやっちゃうだろ?許してやれよ!」



「ノリでするのはダメだ‥しかも俺の前で」



「王様ゲームなんて大体がノリなんだけどな‥

まっ、祐希が嫌なら仕方ない。そこは藍と話し合えばいいだけだろ?

あと、太志の事も‥。俺、理由聞いたよ。祐希が心配してるような事じゃないのもすぐわかるのに、なんで聞かねぇの?」


「えっ‥智君聞いたの?」


もちろんと大きく頷く。


「聞かないとわかんないじゃん」


「‥理由は?なんだった?」


「それは俺の口からは言えない‥藍に聞いて」


「藍か‥俺が話聞かなかったから怒ってると思う‥今更聞けるわけないし‥」



「聞けるさ。祐希が藍と仲直りしたいって思ってるなら‥このままでいいわけがないって分かってるから悩んでるんだろ?なっ?」


それなら大丈夫‥と付け加えながら智君がニコッと笑う。


「‥うん‥‥そうだね‥‥わかった、明日‥藍に話してみるよ」



「明日?‥明日でいいの?」


「えっ?なんで?今日はもう遅いし‥」


時計を見ると22時を過ぎている。いつもの藍なら寝ている時間だ。


「なんでって‥今日、藍が太志と仲良くするって言ったんだろ?気にならないわけ?」


「はっ?あっ、‥いや‥でもまさか‥」


「前のは訳ありだったけど‥今回はわかんねぇよ‥もしかしたら‥」


含みを持たせた言い方に、まさかと思うが‥


藍を貰うと言っていた太志‥。


もういいと太志を連れて行った藍‥。



2人が合意したとしても不思議じゃない。慌てて飛び起きると、2人の部屋に行く決意をする。





「智君、ごめん、行ってくる」


「ん!行って来い」


俺を見て微笑む智君に頷き返し、部屋を後にした。




藍と話をしよう。




目を逸らしていても何も解決しない事は


よく分かっているのだから‥。







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