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ひかりは机に顔を埋めたまま動けなかった
頭の上にはまだ透の手が乗っている
ぽんっぽんっと
子どもをあやすみたいに優しく撫でられるたび
心臓が変な音を立てた
(近い……///)
「……と、透///」
「んー?」
「手……///」
「やだった?」
少しだけしょんぼりした声
ひかりは反射的に顔を上げた
「ち、違っ……///!」
「ならよかったー」
安心したように笑う
その顔がかわいすぎてひかりはまた言葉を失った
透は昔からこうだった
距離感がおかしい
誰にでも優しいけど
私には特に無防備で平気でくっついてくる気がする
でも本人には全く自覚がない
「ひかりってあったかいよね」
「……へ?」
突然の言葉に固まる
透はひかりの頭に手を乗せたまま
ぼんやり続けた
「なんか安心する」
「〜〜っ///」
だめだ
心臓がもたない
ひかりは勢いよく立ち上がった
ガタッと椅子が鳴る
「おー」
透は驚いた様子もなく見上げてくる
「ちょ、ちょっと顔洗ってくる!///」
「いってらっしゃーい」
ひらひら手を振る透
絶対分かってない
ひかりは真っ赤な顔のまま教室を飛び出した
けれど廊下に出た瞬間
「……っ」
ふら、と視界が揺れた
壁に手をつく
なんだかくらくらする
あ……れ?
さっきからドキドキしすぎてるせいだと思っていた
でも違う
頭がぼんやりする
身体も少し重い
「ひかり?」
後ろから声がして振り返る
透が追いかけてきていた
「えっ、なんで……」
「ひかり、ふらふらしてた」
透はのんびりした声のまま
ひかりの前まで来る
「だ、大丈夫だから……」
「大丈夫じゃなさそう…」
透はじっと私の顔を見てくる
そのあとそっと額へ手を当てた
「……あつい」
「っ……!///」
ひんやりした手が気持ちいい
でもそれ以上に近すぎて
ひかりの心臓は限界だった
「ち、近いっよ……!///」
「でもほんとに熱あるよ?」
透は少し眉を下げる
話聞いてない…
「保健室いこ」
「え、いいよそんな……」
「もうちょっとで授業始まるし…」
「だめ」
透はそのままひかりの手首を軽く掴む
「歩ける?」
「……う、うん///」
その手が優しくて
顔が熱い気がするがそれは熱のせいにする
保健室で熱を測ると
38.5℃
「結構熱があるから今日は早退した方がいいかもしれないわ」
先生の言葉に小さく肩を落とす
「うぅ……」
「だから言ったのに」
隣で透がぽつりと言う
「ひかりさんのお母さんに連絡してみるわ」
「はい……」
数分後
「電話してみたけどでないわ……」
「そうですか…」
「一人で変えさせるわけには行かないし……」
「ぼくが送ろうか?」
「いいの?」
「うん放課後まで待てる?」
「うん…大丈夫」
「透さんが一緒に帰ってられるならいいわ」
「ひかりさんでもつらくなったら直ぐに言うのよ!」
「はい…」
「ごめんだけど私はこれから少しいからきゃいけないから」
「大丈夫です……」
先生が行った後
「じゃぁ…ぼくも…」
「あ、あのっ……透」
「?……どうしたの?」
「……ありがと///」
小さく呟くと
「いいよ」
透は笑いながら言った
その笑顔を見て
照れながらも私は毛布の中でそっと目を閉じた