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「ただいま。すごい雨だね」

玄関を開けて言う亮介にアキはタオルを差し出しながら笑う。傘をさしてきたはずなのに、亮介のシャツはびしょ濡れだった。買い物袋守ってたし、横殴りだったんだ、という言い訳にもまた笑った。

「あ、そういえばね、」

「ん?」

ぶりを挟んだままの箸を片手に亮介が眉を上げる。

「亮介さんの姪っ子ちゃんがうちに来たよ」

「え、星來が?」

アキは頷いて、招き入れる事に至った流れを事細かに説明した。

「しばらくお喋りしたんだけど、いい子だね」

「明るいよね。おれもあの子は結構好き」

親戚との付き合いがあまり得意ではない亮介が、思春期真っ只中の女の子を好きだと言ったことに驚いた。と同時に、彼にそこまで言わせるほど、彼女は良い子なのだとわかって、アキは何となくほっとした。

「僕が昔使ってた傘貸したんだ。また返しに来ると思うけど、うちに上がるのは、良いんだよね?」

亮介は微笑みで是を示した。

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