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#ロマンス
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「…どうゆう、意味で言っとう?」
真剣な目で見つめられる。
少し迷いながら、それでも確実に、今じゃなきゃダメな気がするから。
雨は振っている。雷は、多分まだ鳴らない。
「俺、ずっと…ジンさんのこと、好きです」
「…」
嬉しいような、悲しいような顔をした。
「そっか…嬉しいわ。でも…他に、色々もっと、良い子とか…同い年くらいの子おるやん、その方が…」
「俺はジンさんが好きなんです」
「君が思うジンさんじゃないかもよ」
「…ホラー嫌いで、猫が好きで、お酒結構強くて、少食で、社会人で、朝弱くて、大人っぽいくせにたまに子供みたいに笑って、可愛くて、…俺が思ってるジンさんじゃないなら、その知らないジンさんが知りたいです。ジンさん、嫌いか好きかで決めてほしいです」
「…ちょっと…あー…考える時間ほしい…です、いや嬉しいねん、ほんまに…えっと…待ってちょっと…」
何度も謝りながら、スマホ片手に廊下へ出ていった。
…迷惑だっただろうか。
お泊まりはさせてもらえているが、まだ会って数回だったし…。
なぜ今だと思ったんだろう、分からん。
「…もしもし龍」
[はい、どうしました]
「…シンくんとさ、俺が付き合ったとしたら…シンくんへの負担エグいよな」
[んー…シンさんへの負担はないと思います。あなたがカバーするでしょう]
「もし守れんかったら」
[俺が守ります]
「…俺より弱いやん」
[そうですね]
「…スゥ…はぁ…アカンねん…ほんま…こういう時こそ頭働かん…」
[あなたはどうしたいんですか]
「シンくんのことは好きよ?でも、それだけ」
[充分じゃないですか]
「ダメ。好きってだけで手出して、何回壊れたか。君も見たやろ」
[…]
「…やっぱ、断ろかな」
[付き合えば良いやないですか]
「…聞いとったんか?裏に巻き込みとうないねんて」
[俺が手回します。それに、あなたに歯向かうバカはそろそろ居ないでしょう]
「そういう油断がさぁ…」
[シンさん好きでしょ]
「…」
[答え決まってるはずです]
「だから聞いとんねん」
[付き合えばって]
「巻き込まん?」
[巻き込めばええやん]
「…」
[…俺元頭ですけど、全然付き合いましたよ。別れたけど]
「君はさぁ…だって…一般の女性やけどさ…」
[話せば良いんやない?一回]
「嫌われるやん…」
[あの人は大丈夫でしょ]
「…そう、かなぁ…」
[大丈夫です。振られたらその時]
「ん”…まぁ…うん…話してみる」
[はい、頑張ってください]
「…ありがと、龍」
[こういうのであなたが俺を頼ってくれたん、嬉しかったです。応援してますよ]
「うん、…うん」
[何緊張してんすか。頑張ってくださいね]
「…ん、行ってくる」
[はい]
「…はぁ…」
「…」
「!!」
ジンさんは、少し暗い表情で戻ってきた。
「返事の前に、さ。僕のお仕事について話そうと思って」
「お仕事…?」
そう言って、一つ一つ丁寧に話してくれた。
どんな世界で、どんな仕事で、どんな立ち位置で、どんな人間関係か。
「…取り消すなら、今やで」
「いや、取り消しませんけど…」
「聞いてた?」
「はい、しっかり」
俺が取り消すと思ったのだろうか。少し心外だ。
「俺は、ジンさんがどんな仕事したようと、どんなダサい部分があろうと、全部好きです。ってか、ちょっと解釈一致です」
「…っ…あーまって…まっ、て…」
ジンさんは急いで顔を背ける。
声が震えている。
「ジンさん、大好きです。どんな仕事してても、どんな弱いとこがあっても、ずっと。…俺と付き合ってください」
「っ…ふはっ、すごいな君…話聞いてからも、っ…そんな真剣に言うてくれる思わんやん…グスッ」
「泣いてます?」
「泣いてへん…!…俺と付き合って、後悔せん?」
「絶対しません。マナーいいし店員さんに敬語やし」
「そ、っか。…いつでも振ってエエから」
「そういうの嫌です」
「すまん。…僕も、シンくん好きやで」
「!!!」
「付き合おっか」
「よかっっッッッ…!!!ありがとうございます…ほんと、え、ほんと?」
「大丈夫か情緒…w」
「今のジンさんに言われたくないかもです」
ジンさんは、目に涙を溜めて笑っている。
俺はその涙をそっと拭った。
「ん…」
「泣いてますね」
「うるさい…」
「可愛い」
「どこに可愛さ感じてんねん」
「ジンさんに」
「…そっか」
雷が鳴る。
「ぅあっ」
ジンさんの肩が少し跳ねた。
「付き合ったんで遠慮なくいけますね」
「いや遠慮はするけど…」
そう言いつつ抱きついてくる。
最初より少し力が強いようにも感じれる。
「ふふ…龍さんにどう言いましょう」
「君から言って」
「分かりました」
まさか…付き合えるとは…。
人生何があるかわからん。ただ今は、すっごい幸せ。