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目が覚めるのいつもの天井。
変わらぬ毎日。永遠と繰り返される日常、飽きてくる。そんな事を思っていても何も変わらない。
俺は疲れの取れない体を布団の引力に逆らいながらも力を込めて持ち上げた。時間は5:30。いや5:31か。冷たい床に足を付け、半目で洗面所に向かった。案の定椅子の足に小指と薬指の間をぶつけ1人でもがいていた。洗面所に着くとバンドをつけぬるま湯で顔を洗った。鏡を見るとそこには、俺が写ってる。まあ当たり前だよな。内心知らない美少女になってたりしないかと思ったが残念ながら俺が写ってる。寝癖が酷く四方八方に飛び跳ねた髪。寝起きにより重くのしかかった瞼。真っ黒な隈。手入れのされてない肌。
「よし、今日も俺は最悪」
自分の頬を両側から軽く叩いた。
顔を拭いて洗面所を出る。
廊下を歩いて、キッチンに着くと冷蔵庫に入っている昨日の残りのご飯をレンジで50秒温め、やかんに3分の1程度の水を入れ火をつけた。待っている間スプーンと水を机に出してご飯が温まるのを待つ。
「チンッ」
レンジの音がなり、テレビをつけようとしていた手を止め温まったご飯を取りに行った。引き出しからお茶漬けの素とツナ缶を取り出しそれをご飯の上に乗せた。10秒後くらいにお湯が湧いたため沸騰して湯気の出るお湯をご飯にかける。最後にごまをたんまりかけて。これでツナ茶漬けの完成だ。簡単で美味しく胃にも優しいため俺はこのレシピを重宝している。
「いただきます」
俺はツナ茶漬けを無心に食べ進め胃袋を満たしていった。
「ご馳走様」
食器を片付け、寝室に戻った。
俺は寝室のクローゼットを開けハンガーにかかったスーツを取り出した。最近買ったばかりなためシワは、なくピンとキマッている。
「ん?」
ベルトの余りの部分が増えているように感じる。
「まあ、いいか」
俺は着替えを終えバッグを持って玄関に向かったバッグの中身は特に出していないため昨日と変わらない。少しキツめの靴を吐き玄関の鍵を開ける。
「行ってきます…」
誰もいない家で1人そう呟いた。