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夕食を食べ終わったら夜の部だ。
何せ今日は、ほとんど漁をしていない。
「やっぱり磯とか攻めた方がいいよな、夜なら。前回はまだ少し明るさが残っていたから青物も来たけれど」
先輩が言うので、本日攻める場所は磯場だ。
今回の標準仕掛けは『ほんのちょい投げ』。
いつものちょい投げ仕掛け以上に軽くて簡単な仕掛け。
糸だけはごついけれど。
そんな仕掛けを、そーっと岩場の直近の底が砂地のところに、静かに静かに落として待つ。
なお標準仕掛けは、僕と彩香さんと川俣先輩。
未亜さんは、いつもと同じカゴ付きウキ付きの仕掛けを遠方に投げていて。
美洋さんは、信頼感抜群なスキンサビキを遠投仕掛けに付けて投げている。
ただ釣れなければ困るという切迫感は無い。
何せまだまだ在庫があるし、朝一番の方がきっと釣れるし。
そんな訳で、色々遊び感覚だ。
最初に来たのは、美洋さんの仕掛け。
投げて20秒もしないうちに、ウキが消える。
二浦でも見たような、赤っぽい小魚がかかっていた。
「これってネンブツダイだっけ」
「だと思うけれど、ちょっと違うような気も」
海岸に撤収して魚を外してバケツに入れ、そしてまた投げる。
またすぐ釣れる。外す。
この繰り返しで、あっという間に10匹以上の赤っぽい小魚がバケツに入った。
「うーん、こればかり釣れるのも悔しいです。でも釣れないよりは、小物でも釣れた方が楽しいんですよね」
そして。
「餌用に1匹いただくのですよ」
未亜さんが1匹を自分の仕掛けに、エサとしてくくりつける。
その3分くらい後に、ようやく彩香さんにもヒット。
そこそこ引いて楽しみながら上げたのは。
「カサゴ。サイズもまあまあだな」
先輩がそう判断。
そして先輩が、がしっといきなり竿を上に上げる。
「来た。そこそこ大物」
彩香さんのカサゴとは明らかに違うファイトをしている。
引き上げたのは、全身に斑点がある、形はタイっぽい魚。
「これは知らないな。後で先生に確認して貰おう」