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かいわれ大根
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酒鬼組事務所にて〜
『親父、牛山が来ました』『あぁ、すぐ向かう』そうして酒鬼組組長、土浦は組長室のソファに腰をかけた。
トントン、ガチャ、『お久しぶりです土浦組長』『天王寺の襲来以来だな、あの時は敵同士だったが、今は斑鳩連合の討伐に協力してくれんのかい?』土浦は慎重に牛山の言動を見極めようとする。
『えぇ、最近は豊岡にも斑鳩の息のかかったチンピラ供をよく見かけるんで、早めに制圧しといた方がいいかと』その会話を隣で聞いていた酒鬼組若頭の井高は疑問を浮かべる。
(斑鳩の連中が豊岡に?アイツらが狙っているのは大阪進出だ、なのになんで豊岡に奴らのチンピラがいるんだ?)井高は思考を巡らせる。
『そういや土浦組長、手土産です』そう言い牛山は土浦に骨壺を渡した。
(ほう、これは?)土浦は恐る恐るその骨壺を開ける。
『これは…!斑鳩連合の亀内か!?』『えぇ、何も無しに酒鬼組に伺うのはいかがなものかと』こうして土浦は上機嫌となり、酒鬼組は霧山組の友好組織となった。
『では俺はこれにてそろそろ』そう言い牛山は日根野を連れて組を去っていった。
牛山が帰って少しした後、井高は土浦の護衛についていた源を呼び出す。
『修兵、お前さっきの会話どう思う?』『正直言って怪しさ満点です、ある程度警戒はした方がいいかと』源修兵(みなもとしゅうへい)、酒鬼組の最高戦力である。
羽王戦争の二年前に起きた福舟組と天王寺組の抗争で酒鬼組は福舟組に味方する。
当然、酒鬼組も天王寺組と戦うことになり、大打撃を受けたが、源修兵が城戸丈一郎と互角の戦いをしてから組員たちが一斉に力を取り戻し、戦いを有利に進めた。
『ですが、あの感じだと斑鳩攻略を手伝ってくれそうなのはマジな気がします』『一体何を企んでやがる…』二人は真相を突き止められずその日は終わった。
その二日後〜
『狙うは土浦、井高の首だァ!』斑鳩連合が酒鬼組にカチコミを行った。
『源ォ!その首切ってやるよ!』次の瞬間、南条が源に斬りかかる。
カキンッ!『滝本の兄貴!すいませんソイツの相手お願いします!』『おうよ、こんなつけ上がりは俺が始末する』そう言い滝本は消火斧を振り回す。
『柳葉刀の南条か、うちに入ればその才能をもっと活かせたのにな』『おいぼれは黙ってろ、斑鳩さんの進む道こそが俺たち武士の憧れなんだ!』南条は柳葉刀を一閃するが滝本には当たらなかった。
『死んだ富友紀(亀内のこと)のためにも、この戦に勝つ!』(南条燕、気勢と才能はやはりなかなかだな)その一方で斑鳩と不破、敷田は土浦を探して組内を走り回っていた。
『ここからはそれぞれ分かれて土浦と井高を探そう』不破の提案により三人はそれぞれ別方向へと進み始める。
しばらくして敷田は複数の人影を捉えた。
(間違いねぇ、土浦に井高だ)敷田は冷静に相手の戦力を分析する。
(護衛は武闘派の蜂元、木町に舎弟三名か)敷田はチャカを構えて息を潜める。
次の瞬間、『会いたかったぜ土浦!』敷田は角から飛び出しチャカを放つ。
その凶弾は井高の肩を撃ち抜いた。
『敷田か、死に晒せよ!』木町と舎弟達は一斉にチャカを放つ。
『遅いな、戦局がまるで読めてねぇ』敷田はその弾丸を全て躱わし、その状態でチャカを放つ。
『ゴッ!』『浜入ィ!親父逃げてくれ!コイツの相手は俺がする!』次の瞬間、蜂元はドスを構え敷田に突っ込んだ。
(チッ!土浦を逃がされちまったな…まぁコイツを殺してとっとと向かうか)敷田もドスを構え二人は壮絶な斬り合いとなった。
(マズイこのままじゃやられる!)そう思った蜂元は懐からスタンガンを取り出し、敷田に突き出した。
しかし、『とりゃぁ!』(なっ!?合気!?)蜂元は敷田に投げられ隙が生まれる。
(なんとか起きあがんねぇと死ぬ!)『あばよ!俺は土浦のところへ行く!』そう言い敷田は蜂元に構わず走り出した。
それを見た蜂元も急いで敷田を追いかける。
また、同時刻、斑鳩は源と壮絶な斬り合いを繰り広げていた。
(特に変わったことはしてこんが、基礎の動きが異常に良い、このままでは俺は土浦のところにたどり着けんな)斑鳩は六角を投げなんとか源に隙を作り出そうとする。
『少し動きが鈍いぞ斑鳩!』源はそれを避け、斬りかからんと強く踏み込む。
(狙いは胴体、難なく躱せる!)斑鳩が半歩下がったその時、源は急速に腰を落とす。
次の瞬間、源は低い位置から横薙ぎを繰り出す。
タッ!斑鳩は上に跳び、なんとかそれを躱したが、表情に余裕は無かった。
(真の狙いは足であったか、気づかねば刎ねられていた)斑鳩は地面に着地すると負けじと横薙ぎを返す。
(反撃が少し単純…ッ!?)突如、 源の足に激痛が走る。
(撒菱!?さっき俺の横薙ぎを躱した瞬間に撒いたのか!)足の痛みにより源の動きが鈍ったところを斑鳩は見逃さなかった。
『もらったぁ!』斑鳩は瞬時に突きを繰り出す。
源はそれを躱そうとするも、刃の穂先が横腹を掠めた。
源は迫り来る攻撃を捌きながら、負傷した足に気合いを入れもう半歩引き下がる。
『お返しだ!』次の瞬間、源は斑鳩が撒いた撒菱を足で払い飛ばした。
斑鳩はそれを捌こうとするも飛んできた撒菱の一つが斑鳩の右腕に刺さる。
斑鳩は一度距離を取り、体勢を整えようとしたその時だった。
『親父!裏口までもうすぐです!』『逃げれると思っているのか』斑鳩の目に映り込んだのは
裏口を目指す土浦達とそれを追う不破だった。
『見つけたぞ土浦!不破!そのまま追え!』そう言うと同時、斑鳩は土浦へと駆け出す。
『させるか!』それを見た源は迫り来る斑鳩に斬りかかるが斑鳩はそれを躱し、源を突破した。
『斑鳩ァ!お前はなんとしてでも行かせねぇ!井高のカシラ、親父を連れて逃げてくれ!』土浦の側にいた木町はチャカを乱射する。
(土浦の射線に遮蔽物が無くなった!今なら撃てる!)不破は懐からスッとチャカを抜き、土浦目掛けて凶弾を放つ。
『親父ィ!危ない!』ズシュッ!『い、井高ァ!不破ァ!よくも井高をやったなぁ!』土浦は舎弟に守られながらチャカを放つもその弾は不破に当たらなかった。
しかし、とうとう土浦は組の裏口に辿り着く。
『親父、早く車に乗ってください!』『おぉ!後野か!すまない頼む』そうして土浦は命からがら事務所を脱出した。
(若頭の井高は獲れたが、土浦は獲れなかったか…撤退だ!)次の瞬間、斑鳩と不破は地面に煙玉を投げつける。
『クソッ!待て!』源や木町はそれを必死に追うも逃げられてしまった。
一方その頃、敷田と南条は〜
『お!南条じゃねぇか、煙玉はちゃんと持ってるな』『はい!このまま逃げ切ります!』そして二人にも斑鳩と同じやり方で逃げられてしまった。
(クソッ!敷田に逃げられた、ん?あれは?)蜂元の目に一人の男が映る。
『滝本の兄貴!大丈夫でs…』『蜂元ォ!すぐにでもアイツらのヤサにカチコムぞ!』滝本は怒りのあまり爆発寸前だった。
『滝本の兄貴!気持ちはわかりますが、まずは霧山組に協力を仰ぎましょう』こうして酒鬼組襲撃は斑鳩連合の勝利で終わった。
それから数日経ったある日のこと〜
『滝本さん、若頭襲名おめでとうございます』『ありがとな牛山、だが今はそんなことより井高のカシラと浜入の敵討だ』滝本と牛山が話してしばらくすると土浦が部屋へと入ってくる。
『滝本、お前に斑鳩のカチコミを任せる、蜂元、木町、そして牛山くんも滝本を支えてやってくれ』そうして四人は尼崎へと向けて酒鬼組を発った。
しかし、このカチコミがさらなる波乱を呼ぶとはまだ誰もわかっていなかった。
コメント
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みぅです🤍🥀 第6話、読み終わりました…。 今回のカチコミ、緊張感がすごかったです。特に源と斑鳩の一騎打ち、お互いの読み合いが丁寧に描かれていて、手に汗握りました。撒菱の使い方、ああいう小賢しい戦術好きです。 井高さんが撃たれたシーンは、思わず息をのみました。斑鳩連合の目的がやっぱり「首」だったんだなって…。 でも、土浦が逃げ切れたことで、まだまだ波乱がありそうですね。滝本さんが若頭襲名して、復讐の炎を燃やしてるのが、次の展開を予感させます。 牛山さんの立ち位置も気になる…。何か企んでる感じが、ずっと引っかかってます。 こよしさんの書くヤクザの世界観、重くて、でもちゃんと整理されてて、好きです。続き、静かに待ってますね🌙