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Hayato side
「今日じんちゃんの顔ちゃんと見た?」
撮影の合間、二人になった瞬間、ずかずかと近付いてきた柔太朗に急に聞かれて驚いた
「じんと…?そういえば…」
今日と言わず、しばらく顔なんてちゃんと見ていないかもしれない
「頑張るってのはさ、無理をするのとイコールではないよ。 はやちゃん本当に休んでないよね」
早くはないが、まくし立てるような言い方に少し体が引いた
「じんちゃん、俺じゃ勇斗のブレーキになれないって、だから柔太朗がブレーキかけてやってって言ってた」
「は…?」
こいつは、何の話をしてる?
仁人が?何で?
「じんちゃんなんて言ってた?どんな顔してた?」
なんて…?
この間、大丈夫って言ってたよな
はやとは、大丈夫って
それって、なんの話してた…?
笑っているような、泣いているような、怒っているような、困っているような
どれも合っているようで合っていないような
思い出そうとするのに、仁人の顔なんかいつも簡単に浮かぶのに
どの顔なのかわからない
「じんちゃんさ、自分の役割は、はやちゃんのブレーキを踏む事だと思ってるでしょ」
考え込む俺に、少しだけ声が柔らかくなった気がする柔太朗が諭すように言った
「それが出来ない自分を追い詰めちゃってる」
「見たことない顔してたよ」
俺がそれに気がつかなくてどうする
柔太朗にまっすぐ見つめられて、なんで俺は大事な事ほど気付けないのかと、急速に意識がはっきりして、目が覚めたようだった
背中をバンっと押された気がして
部屋を飛び出した
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