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コメント
13件
痛すぎて口が悪くなるマッマとそれに気圧されるパッパのやり取りに何故か一緒にふんばってました…😭小さき命へ大人達が身体を丸めて屈んでよしよししてると思うともう可愛くて可愛くてたまりませんでした✨ご出産おめでとうございます😊最高にハッピーなお話です🥰✨✨✨
本当”に”ッお”めでと”う”……ッ 性別とか関係なく祝ってくれるメンバーも、全力でサポートしてくれるドズルさんも優しすぎるッ…お幸せにぃ…😭
おめでとうございます‼️ 本当に良かったです😭✨ 読んでいくにつれて感動しました✨✨✨
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🦍🍆オメガバースパロ。🦍未婚。
オメガバースが分からない方は回れ右。
男性妊娠あり。
続き物です。
⚠出産シーンがあります!
完全フィクション。
ご本人たちと無関係です。
トップの注意詳細は必ず読んでください。
それではお楽しみください。
「何撮ってんの?」
「お菓子作り中のぼんさんを記録しとこうかと…」
携帯のカメラを向けている俺に、面白いもんなんて無いよ?とぼんさんが微笑みながら、泡立て器をシャカシャカと動かし真っ白な山を作っていく。
「いやいや、リスナーさん達からすると、これは凄く驚かれると思いますよ?」
「…んー、確かに、あの俺がお菓子作りなんてねぇ?」
くくくっと笑いながら、味見して?と指先ですくい取り、俺の口元まで持ってくる。
「ん…あれ?柑橘系の味?」
「お、よくわかったね?甘いもの苦手な人でも食べれるように…少しオレンジ入れてみたのよ、美味し?」
「はい、さっぱりしてて美味しいです」
良かった〜と眼鏡越しの瞳がトロンと溶けて、桃色に染まった頬がふわりと上がる。可愛いなぁと俺も吊られて微笑むと「そういえば、日常動画…すごい伸びだね?」と照れ隠しで話を逸らされた。
「そうですね、1日で50万再生超えから100万超まで…皆僕達の日常がそんなに気になってたんですね」
「少し恥ずかしいけど……まぁ、これを機に…少しずつ、全員が生きやすい世の中になるといいね」
ぼんさんは少し悲しそうに眉を落とし「よし、焼きあがったかな〜」とオーブンの中のフィナンシェを取り出す。ふわりとバターのいい香りが部屋の中に広がりお昼を食べたばかりのお腹がクルルっと欲張った。
その音を聞き逃さなかったぼんさんがくすりと笑って「少し冷ましてからね?」と頬にキスをしてくれた。
「ぼんさん…ッ」
「…あ、こら!」
頬だけでは物足りなくて、包み込んでその口を奪う。
「んっ…んん」
「はぁ…ぼんさん、今日も…いいですか?」
「昨日も…したじゃん…」
昨日は昨日です、と再度唇を重ねると俺とぼんさんの間で挟まれていたお腹がポコンと動いた。
「……ドズさん、娘ちゃんがいい加減にしなさいと言ってんよ」
「……はぁ…仕方ないですね」
少し拗ねて、いつ産まれてきてもおかしくないそこを数回撫でる。
「もう、予定日近いですけど…どうです?」
「んー、いつも通りかな?」
「入院の準備も終わってますし…いつ会えるか…」
楽しみだな、と再度撫でるとポコンと蹴られた。
それが、何故か反抗的な感じがしてつい、
「…………相当寝心地がいいんでしょうね…まだ出たくないと言ってる気がする。」
と呟くと、ぼんさんが少し目を見開き「お?わかる?俺もそう感じた」と答えた。
少し間を置いてくくくっと2人で肩を揺らし、そういえば撮ってたんだとカメラの録画停止ボタンを押した。
「………本当に…この子は…おてんばなのに…のんびり屋というか…」
予定日を4日過ぎた。未だに兆しがないお腹に俺は戸惑いながら話しかける。
「あー、こんな時にドズさんいないし…」
急遽、仕事でどうしても会社に出向かなければいけないトラブルがあり、直ぐに戻ります本当にすみません!と何度も謝りながら足早に出ていったのが午前中。
『…すみません…ぼんさん』
「しょーがないよ、それよか何時頃帰るの?」
何かあったらいけないからと、リビングテーブルにノートPCを置いて、通話アプリを繋いだまま仕事中のドズルさんと会話をする。
『あと2箇所で、終わります。なので…えーと、18時位ですかね?』
ドズルさんの背後からネコおじのそうですねという声。
後2時間位か〜と時計を見ながらボーッとしていると、キーボードを弾く音の間にドズルさんのため息が零れた。
「ふふっ…」
『……なんですか』
ムスッとしたような声、あーぁ、拗ねちゃって…可愛い人だね本当に
「いーや?」
『声が笑ってます……はぁ…帰りたい』
おっ珍しい!ネガティブドズルだ!とネコおじがケタケタ笑っていて、いつもと変わらない会話と雰囲気にのんびりする
空になったコップを手にキッチンへ持っていこうと、ソファーを立ち3歩、歩いた時だ…
パンッ
「…え」
何かが弾ける音と、じわりと下半身に広がる暖かな感覚。
恐る恐る下を見るとゆるゆるのグレーのスウェットパンツが黒く色を変えていた。
あ、やばい、
スローモーションの様に足から垂れる水を見つめる、ポタポタとフローリングに広がっていき破水した事がわかった。
「ど、ドズさん!!!」
リビングに置いてあるPCへ声をあげると、ガタッとスピーカーから椅子が倒れる音がした。
『ぼんさん!?どうしました!?』
「来たかも!破水?…した!」
本当にこの子は!のんびりしてたかと思うと「もういいかな?」とでも言うようにやる気出しちゃって!
腰から下にズグッズグッと鈍い痛みが広がりだし、これが、陣痛か?と冷や汗が額に浮かぶ。
「いっ…でえ!!」
『ぼ、ぼんさん!!』
俺、痛みに弱いんだよ!!これがずっと続くのか!?世の中のお母さん達はこれを耐え抜いたのか!?
「いでぇ!!いだーーーい!!!」
『ぼんさん!?ね、ネコおじ!ごめん!帰る!』
ガタッガタと暴れ回る音と他スタッフに雑に引き継ぎをするドズルさんの声。背後からネコおじがタクシー呼んでます!と叫びバツンと通話が切れた。
「いだぁ!な、ちょっ…ぐううぅ!」
ズグズグッとした痛みが次第に緩やかになり、ふと切れる。
「はぁ、いってぇ……い、今何時…」
かかりつけ医から陣痛時の事も聞いていた、陣痛の間隔を計らなきゃと事前に入れていた陣痛アプリを開き間隔を記録する。
「い、痛みが引いた今のうちに…」
フラフラと立ち上がり、汚れた床や衣類を着替える。
母は強し…こんなんでメソメソしてたらダメだと己を奮い立たせた。
「あ、洗い物…」
何かをしていた方が落ち着くと、流しの洗い物やら、トイレ掃除やらを何故か焦った様にしてしまう。
予め準備していた入院セットを玄関に置いて、病院へ一応連絡を入れる。
数コール後に聞き覚えのある声が答えてくれた。
『はい、こちら○○病院産婦人科です』
「あ、そちらで受診してるぼんじゅうるです…看護師の…佐々木さん?」
『あ!ぼんじゅうるさん!こんばんは、…どうされました?』
産婦人科に移動したんですね、と軽い会話の後に破水した事や陣痛の間隔等を伝えると『破水の量が多いのが気になりますね、入院の準備が出来次第、病院へ来てください。』と穏やかに言われる。
その声に少し安心し、分かりましたと電話を切り重いお腹を抱え立ち上がる。
「っ!き、きたっ…いでぇ!!」
こ、これドズさん間に合うの!?と廊下にしゃがみこんだ時、ガチャリと玄関が勢いよく開いた。
そこには息を切らしたドズルさんとネコおじが立っていて青ざめた俺の顔を見るなり「遅くなりました!ぼんさん!ごめんなさい!」と俺以上に苦しそうな顔をして玄関の荷物を抱えあげた。
「外にタクシー停めてます!歩けます?!」
「む、無理ぃ!」
「ドズルさん、荷物俺が持つ!ぼんさんをお願い!」
ネコおじがドズルさんから荷物を奪い取り、外へ出る。
ごめん、ありがとうと答えたドズルさんはお腹を抱えて唸る俺を軽々と抱えあげて慎重にタクシーへと乗り込んでくれた。
「いだぁっ…ぐ…いででででっ!」
「今、間隔どうですか?!」
「30分…位かなッ…うぅ」
「病院へは…」
「いい、も、連絡した、破水、量多いから…もう、入院しに来いって…っ」
「すみません…ぼんさん、1人に…させちゃって…」
今にも泣きそうな声と顔でドズルさんは俺を横抱きにしたまま運転手へ行き先を伝えた。
助手席のネコおじが、心配そうに後ろをチラチラ見てきていてフハッと笑ってしまう。
なんでアンタらが俺より焦ってんのよ!
『いだぁあーーーい!!!くそったれ!!!!』
「ぼ、ぼんさん…」
全身から汗が吹き出て、ベッドの上で蹲る。
ドズルさんが怯えた表情でグリグリと腰を押してくれて少しだけ痛みが和らぐ。
病院に到着してからはあれよあれよと手続きが進み、長かった陣痛の間隔も5分程になり、後は助産師からの指示待ちとなる。
いつになったら分娩室へと呼ばれるのか、いつまでこの突き刺すような痛みと戦わなければいけないのか…つい、悪態をついてしまう。
そんな俺の様子に、一緒に着いてきてくれたネコおじも真っ青な顔になりながら、「ひ、ひぃ」と俺の悲痛な声に反応して変な声を出している。
「クッッソがぁああーー!!いでぇ!いたいいいいい!!」
俺はならないと思っていた!
ーあまりの痛さに普段穏やかな私が旦那にお前が産めやぁ!と叫びましたw
ー助産師さんに早くひっぱれ!ばか!と暴言吐いてしまった…ごめんなさい!
ーサポートしてくれた旦那に散々暴言吐いた
ー早く出ろ!いつまでも私の中に居るな!!と赤ちゃんに怒ってしまいました…
ネットサーフィンをしながら、妊娠出産のレポート達をケタケタ笑い、読んでいたあの時の自分…お前もその仲間入りしてるぞ!!
そんなになるかぁ?と俺は絶対ならないね!と笑っていた…だが、こうも痛いと情緒不安定になる、ありえない!これで正気でいる方がおかしい!!
「ぐぅううううう!!も、は、早く産ませてくれぇええええ!!!」
「ぼんさんっ…か、変わってあげたいけど…変わりたくないような…ほ、本当に頑張ってくれてありがとうございます…」
「まじクソ痛そう…や、やばい、頭くらくらしてきた」
俺の周りの男どもは役立たず過ぎる!!
「ネコおじ!うるさい!!俺が1番くらくらしてんだよ!!くそ!うううう!!」
「ご、ごめん!」
手を握ってくれているドズルのそれを折れそうな程強く握り返す。
本当に痛い、これ、おれ、し、死ぬ!?
「46年生きてきてッ…ぐ、こ、こんなに痛いのは、初めてだぞ!!聞いてない!!!畜生!ぁぁあ!!」
「つ、辛いッ!」
「なんでドズさんが辛いとか言うんだよ!腹立つ!ばか!いでぇえ!」
愛しい人が苦しんでて助けられないから辛いんです!とボロボロ泣いてて「うるさい!」と暴言吐いてしまった。
今、そういうの要らないから!とにかく腰を力いっぱい押せ!!
『ぁあ”ああ”あ”あああ”』
『ぼんさん!ぼんさん!!』
俺はネコおじ…今上司2人が分娩室で叫んでる。
新たな生命の前に、神は痛みという試練を寄越し…それとぼんさんが戦っている。
普段、ノホホンとしていて何を考えているのか分からない歳上の男が、腹から声を出して叫んでいて、出産というイベントの凄さを教えてくれる。
俺は廊下のベンチに座る事も出来ずウロウロとその時を待っていて、叫び続けているぼんさんの声が掠れ本当にこのまま、ぼんさん死んじゃうかも、と泣きそうになった。
ただでさえ高齢で、しかも初産…リスクデカ過ぎでしょ。
分娩室へ入ってからもう3時間以上経っている。
怖い、もしぼんさんに何かあって…お腹の赤ちゃんにも何かあったら…ドズルさんは耐えれないはずだ…そうなったら、きっとドズル社はあっという間に傾く…。
そんな事を考えていたら、ぼんさんの声が聞こえなくなる。
「え…」
嘘だろ、中で何かあったのか?とふらりとドアに近付くと…
『オギァ!』
「…あ」
まるで音の鳴る玩具がガチャガチャと一斉に鳴り出すみたいに、その声が響いた。
自然にポロリと涙が出たのは、2人には秘密だ。
「わぁ…かわええねぇ…」
「ちっせぇ〜…」
「綺麗な髪色ですね…」
個室のベッドから、コソコソと喋るメンバーを見つめ疲労で中々言う事を聞かない体を、ドズルさんに助けられながら起こす。
「さっきまでギャーギャー鳴いてたのよ、ドズさん頑張ってあやしてたけど…くくっ」
「…ぼんさんにバトンタッチした瞬間、瞬殺…」
拗ねた表情でブツブツ呟くドズルさんに大丈夫大丈夫と笑いかけた。
「髪色は…ドズルさん似ですね…お肌真っ白…ぷにぷにだ…」
おんりーが目を輝かせながら頬を指先で触る。
それに反応した赤子がゆっくりと瞳を開けてメンバーを見つめた。
「わ、ぁ、綺麗…」
「お目目…クリクリ…」
「こりゃ、ぼんさんのアメジストだ…綺麗ッスね…」
おらふくんが綺麗だなぁと顔を近付けると「ふぇ」と赤子が顔を歪ませた、あヤバいと思った時には遅く、顔に似つかない鳴き声を部屋中に響かせた。
どうしようどうしようと焦る後輩達に、大丈夫だよとドズルさんが近付き慣れた手つきで抱き上げる。
それでもグズグズと泣き喚くので、MENが出産祝いにくれた育児セットの中から消毒済みの可愛いピンクのおしゃぶりを取り出し、その口に入れ込んだ。その途端、キョトンと表情を止めてもきゅもきゅと口を動かし出す。
あまりの可愛さに「可愛いい!!」とおらふくんが足踏みをしていて面白い。
どれ、と手を差し出すとドズルさんがゆっくりと俺の腕の中に愛しい子供を預けた。
とろんと安心したように涙で潤む瞳を溶かし、もきゅもきゅと口が動いていて……ふは、かわい…。
ドズルさんもニコニコでその頬をツンツンしてるし…。
可愛いなぁ、と出産の痛みも忘れる程のそれに、ついもう1人欲しいなーとか考えてる自分に驚く。
「そういえば…名前は?」
「あ、僕も気になってたんよ!」
おんりーがベビーコットに刺してあるカードを覗き込んだ。おらふくんとMENもつられてそこを見て、
「……ふふふ、めちゃくちゃ可愛い!」
「いいッスね!」
「この子にピッタリないい名前ですね」
と微笑んだ。
「で?ネコおじは何してんのさっきから」
メンバー同士でワイワイしていたが、ずっと部屋の入口からカメラを構え泣きながら撮影しているネコおじが気になり過ぎてついツッコんでしまう。
「ぐっす、ぼんざん、っどずるざん”…本当に”おめでとうございまずヴぅ”」
「ぶはっ!ははははっ!!きたねぇ!!」
鼻水は垂れて顔中ぐちゃぐちゃのネコおじに、メンバーが声を上げて笑う。
ドズルさんが幸せそうに身体を寄せてきて「ありがとうございます」と目尻に涙を貯めてる。
「僕を、お父さんにしてくれて本当にありがとうございます」
「ふふ、それなら俺も…親にしてくれてありがとうね」
絶対に幸せにしますとウトウトする愛しい子供を2人で見つめながら言われ
「俺も、ドズさんとこの子…幸せにするよ」
と笑い返した。
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