それからは、みんなが俺のことを気遣ってくれるようになった。最初はみんなと違う扱いをされるんが嫌やったけど、全然そんなこと無くて。発情期の時は仕事を入れんようにしてくれるのと連絡をくれるぐらいで、あんまり変わったことは無かった。
それが、すごい嬉しかった。
暫くして、2日連続オフの日があった。最近忙しくてめめと一緒に居らへんかったから、久しぶりに泊まりで来ることになって。
会えない時間か長いとめめのこと考える時間が増えていって、必然的に番うことについても考えるようになってった。
実は、付き合ってから1度も手を出されたことが無い。1回だけそういう雰囲気になったことはあるけど、その時に限って電話が入って。もう付き合って3ヶ月ぐらい経ったんやけど、まだ軽いキスまでしか進んでなくて。
…それも、数回だけ。
めめは、俺と番になることどう思ってるんやろな。
…その事を話したくて、泊まりで誘ったんもある。でもちゃんと一緒に居たいってのもあるし…なんて自分に言い訳をする。
楽しみなはずなのに、少し憂鬱で。インターホンが鳴るまでの数時間、少しでも気を紛らわそうと録り溜めしとった恋愛ドラマを見る。
結局、画面の中で幸せそうに触れ合う2人が羨ましくなってやめたんやけど。
何をしてもめめのこと考えてまうから、諦めて何もしない事にした。なんでも悪い方向に考えてしまう自分を呪いながらソファに寝転がる。
何も考えないようにしながら目を閉じて、微睡み始めた頃、約束した時間より少し早めにインターホンが鳴った。
ドアを開けるといつも通りのめめがおって、右手にはどこで買ってきたのかお土産が下げられている。
蓮「ごめん、早く着いちゃった」
はにかみながらそういうめめが可愛くて、さっきまで悩んでいたのを忘れてしまいそうやった。
康二「全然ええよ!…むしろ嬉しいしな」
1人で考える時間が少ない方が悩まないし、めめと一緒におる時は考えんですむから。
可愛い、と言って俺の頭を撫でているめめ。子供扱いせんでや!とほっぺを膨らましてみると、両頬を押されて空気が抜ける音がする。それを見て爆笑するめめを見ていると、こっちも可笑しく思えてくる。
ずっと玄関で遊んでる訳にもいかないのでとりあえず家に上げる。めめがうちにおるのが久しぶりで、少し緊張するような、しないような気持ちやった。
康二「そういえば、その袋の中何入っとん?」
多分お土産らしきものが気になったから聞いてみる。すると忘れとったみたいにはっとして薄緑の紙袋の中から可愛いデザインの箱を取り出した。
蓮「忘れてたわ。はい、お土産」
何やろ、と箱を開けてみるとマカロンが入っとって。淡い感じの色が可愛くてテンションが上がる。
康二「お〜!美味しそ!」
めめにしては珍しい感じのお土産で、ブログにあげる用にカメラを取り出して写真を撮る。
…みんなに自慢したいからってのはナイショやで?
そんなことを思いながらめめに感謝を伝えて、早速食べようとコーヒーを入れるためにマグカップを2つ取りに行く。
食べたいのか、マカロンをじっと見つめているめめが愛しくて。2人でいる時ぐらいは何も考えずに居ようって、そう思った。
コメント
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めめこじが尊い件については何も答えが出ない。 ガチのHAPPY ENDだね(まだ終わってないけど)