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「先週より酷くなってねぇか?」
「だな」
俺がそう言うと愛は困り果てた様な笑顔をしながらそう返事をした。
「主、又あのサボリ魔連中(イタリアとフランス)の仕事請け負ってんのか?」
「アイツラカエッテコナイ」
そう言いながら主はパソコンのキーを打つ手を止めない。
「祖国様、又、仕事押し付けられてません?」
「イエイエ、ソンナコトナイデスヨ」
日本も同様に手を止めない。
「なぁ、主ぃ、仕事減らせねぇのか?」
主の頭を顎を乗っけてそう尋ねる。
「上司とサボリ魔達に聞け」
「上司とサボリ魔ねぇ、今度オハナシしないとな」
ボソッと言った言葉は多分主には聞こえてない。筈。
「祖国様も仕事を減らせないんですか?」
心配そうに日本の顔をのぞき込みながら愛はそう言う。
「上司に聞いてください」
半分諦めたように日本はそう言いながら仕事を続ける。
「今度、ハナシアイが必要そうだな」
愛はボソッとそう言う。どうやら俺と同じ考えのようだ。
「取り敢えずだ、主、その手を止めろ」
俺がそう言っても主はなかなか聞かない。
「今日もこうなるのかよ」
額に手を当てため息混じりにそう言うと俺は主を無理やり抱き上げた。
「あ”、仕事がぁ」
「仕事は又今度なぁ」
主の言葉を軽く受け流しながら足を進める。
「あ、愛。そのハナシアイに、サボリ魔達も加えて俺も参加させてくれ」
空いている片手でヒラヒラとてを振ってオフィスを後にした。
「そう言うだろうとだろうと思った」
愛のその言葉は俺の耳にしっかりと届いた。
「祖国様も手を止めましょうねぇ」
子供に話しかけるように愛はそう言う。
「シゴトガヤマノヨウデス」
「こりゃ駄目なやつだ。祖国様失礼します」
そう言って日本を軽々と愛は持ち上げた。
「あぁ、仕事が私を呼んでます」
自身のデスクに向かって日本は手を伸ばすものの、愛に軽くあしらわれている。
「私はハナシアイをしないといけないので、早めに寝てくださいねぇ~」
肩に担がれている日本の背中をトントンと愛が叩いてやると日本は直ぐに寝た。
「変わりませんねぇ」
そう言った愛の目は安心と、愛しさと、心配が混ざっているようだった。
俺は、主を家のベッドに寝かせると、もう一度あの会社に向かった。
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