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凛華の前に全裸のままで立っている瑠衣はこの場から逃げたい気持ちでいっぱいだった。
羞恥心と、先ほどの凛華の強い言葉に恐怖で竦み、脚の震えが止まらない。
凛華はそんな事もお構いなしに、右手を顎の下に添えて瑠衣の身体を鑑定しているみたいに隈なく視線を巡らせる。
『あんた、細身の割には胸が意外と大きいんだねぇ。腰はしっかり括れてて、お尻も意外と大きめで。いやぁ、処女の身体っていいわ。羨ましいよ』
オーナーはゆっくり立ち上がり瑠衣の前に立つと、まずは尻の丸みをそっと撫でた後、両手で腰回りに触れ、そのまま手を這わしながら色白の双丘を包み込んで数回揉み上げた。
『……っ』
『あれ? 声が出そうになっちゃった? ああ、言っとくけど私は同性愛者じゃないし、セックスは男としかしないから。服、着ていいよ』
凛華の言葉を受けて、瑠衣は早くこの面談が終わらないか、と思いながら素早く下着と服を身に付けた。
『じゃあ早速娼婦としてデビュー……と言いたいところなんだけど、まずは研修と、それから性病の検査を受けてもらうからね』
『研修……ですか?』
こういう性産業に、研修なんてものがあるとは思わなかった瑠衣は、またも瞠目させた。
『そう。うちらが相手するのは、大企業の社長や著名人だからね。研修といっても、マナーとか話術とか、そういう類のものね。検査はだいたい一週間くらいで結果が出るから、娼婦デビューは今日から二週間くらい後だろうね』
『分かりました……』
『これからあんたの部屋を案内して、面談は終了。で、十九時に隣のホテルのロビーに行くのを忘れないように。帰りは、イケメンさんがここまで送ってくれるから安心しな?』
凛華はそう言うと扉を開け、瑠衣は恩師から頂いた楽器ケースを手放さないように、しっかり持ちながらオーナーの後に付いていった。