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「おはようございます」
マイクロバスから、ぞろぞろ降りてくる。
流石高校生、こちらより少し体格がいい。
ただ女子中心で、全体として優しそうな感じではある。
「おはようございます。宜しくお願いします」
そうこちらも挨拶して。
先生らしき大人の女性も下りてきた。
草津先生と同様に小柄だけれど、見かけはもっと大人しそうな感じの人だ。
「初めまして。秋津学園の小暮と申します。いきなりの2日間ですけれど、宜しくお願いしますね」
「深草学園の草津です。こちらこそ、宜しくお願いします」
それぞれ挨拶した後に。
「さて、まずはカヤック組立を優先しますよ。高校生の方がパワーある筈でしょ。女子がやっているところは、朗人君、文明君、代わってあげて」
そして、小暮と名乗った先生は僕の方へ来る。
「ポンプ代わりますよ。ちょっと失礼して」
そんな言葉の丁寧さと裏腹に、容赦無く僕と場所を入れ替わる。
そしてガッシガシガシガシと空気を、機械のように入れ始めた。
向こうでは、普通に空気を入れている高校生男子2人。
そして、小暮先生と同じように、マシンのように空気を入れている草津先生。
僕は理解した。
この一見大人しそうに見える小暮先生、きっと草津先生と同類の体力超人だ。
まあそんな訳でカヤック組立の代わりに、パドルとかライフジャケットを用意する。
ヘルメットまで準備したところで。
「それでは、午前中組、集合して下さい」
草津先生の声で指示が入った。
午前中組は、深草学園は先生と川又先輩だけ。
なので、こっちは黙々とテントやテーブル等を用意する。
「やっぱりクッチーがやると、色々キャンプも文化的ですね。テーブルまで用意してあって」
小暮先生が、そんな事を呟く。
クッチーというのは、草津先生の事だろうか。
「小暮先生と草津先生は、どんなお知り合いなんですか」
「大学時代に、同じサークルにいたんですよ。私がちょっとだけ先輩ですけれど」
山岳部だったっけか。
小暮先生、体力超人疑惑が更に深まった。
「クッチー、いや草津先生は体力もあるけれど、色々器用でね。料理なんかも上手ですし、裁縫とかも出来ますし。私も、あれくらい出来ればいいんですけれどね。今でも時々会うので、色々話をして、同じように中高一貫の学校の先生になって、同じような野外活動をしていると聞いていたので。
今年、更に上の元先輩達からカヌーを借りられたのを機会に、こうやってお試し会をしようという話になったんです」