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ボクはギターを始めた。

病気の友達への励ましだった。

13歳の夏、僕の友人、透が倒れた。

しかも部活の途中でぱったりと意識を失った。

すぐに救急車で搬送された。

僕は付き添いで一緒に救急車にのった。

病院の付いても透は目覚めない。

病室へ運ばれていく透を後ろの待合室から眺めた。

その後、数時間後に彼は目覚めた。

でも何処か弱々しく見えた。

後からぞろぞろと透の家族やら医師やらが病室に入ってきた。

僕は押し潰されそうになったのですぐに病室から出た。

待合室で、待っている僕にも聞こえる声で泣いている透の家族の、声が聞こえた訳もわからぬまま座っていると、医師、看護師が透の病室を出ていった。

僕は改めて入ってみると、透の母親は声を上げて泣いており、父親は唇を噛み締めて涙をこらえていた。

落ち着かせてからはなしを聞くと彼は重度の結核で、

進行度が非常にはやいため、医師の力をもってしても、余命一年ほど位しかいきることができないと言われたそうだ。

僕は無意識の内に涙を流していて、かすれた声で、透にはなしかける。

「お前……一年しか後生きれないのか?」

「…………そうみたいなんだぁ」

透は、僕たちを心配させまいといった表情で、そう言った。

透の両親は、透の入院準備のために、家へ服などを取りに帰った。

その間も、僕は透の横にずっとおり、少し会話をしていた。

「お前ってたしかギター好きだったよな」

「うん!ギターは激しいロック系や優しい音楽系がたくさんあるから楽しいんだよね」

「そっか……」

「そういえばさ、僕んちギターあんだよね」

「練習するからさ、何か弾いて欲しいものとかあるか?」

「いいの?」

「いいんだよ!」

「じゃあ……×××××」

「分かった」

僕はこれをきっかけにギターを始めた。

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