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『あの…○○さん…。』
出勤終わり、俺はスタッフルームでAに声をかけられた。
Aは俺が就いて少し後に入ってきた後輩だ。年齢的にはそう離れていないのでタメ口でいいと言っているのだが中々聞いてくれない。
『今日の女の人って…?』
「あ〜…いや、俺の勘違いかもしれない。すまん。」
【え、なんすかそれって!】
目を輝かせながら入ってきたのはB。BはAと同時期に入ってきた後輩なのだが俺含めた3人は同じ大学に在籍してることもあり仲が良い。
Bはオカルトやらホラーやらが好きらしく、この手の話は大好物だろう。
「いや…まぁな、今日俺が入ってすぐに変な女が来てさ…髪の毛はボサボサだし、右腕も傷だらけでってんで不気味に思ってたんだけど…誰も気づいてなくて…。今までそういうの見た事ないからよ…。」
【ふーん…それが本当なら少しやばくないっすか?】
「やばいって何が…?」
【だって霊感がないってのに自分だけに見えるって…なにかのメッセージだったり、アッチ側からなにかアクションしてたりとか…無い話では無いっすよ?】
『…。』
「あんまそういうこと言うなよ…、俺もだが、Aなんて特にこういうの無理だろ…?」
そう、Aは根っからのビビりである。特に心霊系なんかになるとその怯えようはもはやこちらまでが怖い。
「とりあえず、疲れてて変なもん見ちまったって言う可能性もあるわけだ、この話はここでおしまい。」
『…っはぁ。』
相当怯えてたのかAは溜めていた息を吐き出した。
「…んじゃそろそろ帰るか。」
俺が席を立つと2人も支度をし始めた。
(…今日は早めに寝るか。)
そして夕暮れが沈み出した頃、俺たちは店を出た。