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はるか。どこにいるの。はるかは、俺を置いてっちゃったの?
「はぁっ、はぁっ、はぁ………っ」
息を吐くと、白い煙が口から出てくる。
今はきっと、寒いんだと思う。
「っ、はるか…………!どこ!はるか!!」
はるかに、会いたい。
「っ、ぁ、……」
ダメ。まだ倒れちゃダメ。
見つけなきゃ。悲しんでる。はるかが。
見つけてって。
「ぅ、」
バタン…
ごめん、はるか。
まだ、見つけるの、時間かかっちゃう。
ーーーーーーーーーー
「…………」
今は、オルカから少し距離をとる事にした。
捨てた訳じゃない。
でも、1人になる時間が欲しいんだ。
今、凄く寒いよね。
毛布、かけてあげれば良かったな。
「っ、」
でも、今はまだ、戻りたくない。
バタッ
………?なんの音だ?
「…………は?、っ!!オルカ!!!!!」
なんで?なんでなんでなんで!!
なんでオルカが、ここに居るの?
ダメって言ったのに、待っててって、
っ、約束、破ってでも、離れたくなかったのかな。
タッタッタッタッ!!
「オルカ!!!オルカ!!オルカ息して!!」
「ひゅーっ、ひゅーっ、」
「……息はしてる、か。こんな寒い中で走って探してくれたんだ……………。っ、そりゃあ倒れちゃうよね…」
私はオルカを背中にのせて、家に帰った。
その時、何故か、オルカが重く感じた。
バチバチパチッ…(焚き火の音)
「…………………お願い、オルカ。起きて、」
「あ、そういえば、なんでオルカこんなに重かったんだろう………」
体がなんか……
バサッ(服を捲る)
「!!オルカ、一応の為にルジー着てたんだ……」
ルジーは、体を守る服の事。
普通の服より固くて、その理由が、鉱石でこの服を作ってるから。
だからそれを着ると動くのも大変なくらい重い。
そんな重いものを着て、私を…………
「ん、ぅ………」
「はっ、……オルカ…?」
「!!はるか?!ぅ、げほげほっ!」
「オルカ!!落ち着いて!一旦、一旦休憩。ね?」
「ぁ、ぅ、……………ぐすっ、」
「え、あ!ごめん、言い方キツかったかな?」
「ちがっ、はるか、探してた。ぐすっ、見つかった、良かった、ぐすっ」
あぁ、オルカは、本当に私を大切にしてくれてるんだな…
「ごめん。ありがとう。でも私はオルカを捨てた訳じゃないよ」
「ぐすっ、良かった。ぐすっ、なんで、俺、場所、分かった?」
「あぁえっとね。何かが倒れた音がして、なんだろうって下を見て見たらオルカが倒れてて、」
「…?声、聞こえる、なかった?」
「うん。聞こえなかったよ。私は山の上にいたからね。でもオルカがルジーを着てくれてたから音でわかったよ。ありがとう。…………本当に、」
私は、泣きそうな顔を必死に隠した。
「………はるか」
「…………ん?どうした?もう少し休んで……」
ギュッ
「……!!」
オルカは、私を抱きしめてくれた。
オルカの体温が、少し。暖かくなっていた。
「約束、守る、出来なかった。ごめん」
「!ふはっ、いいんだよ。私がお出かけしちゃっただけだから!」
そういい、オルカの頭をわしゃわしゃを撫でる。
「ん………はるか。今日、また、お出かけ?」
「ううん!もう大丈夫だよ!今日は一緒に寝よっか!」
「……!うん」
ーーーーーーーーーーーー
ホーッ…ホーッ…
……ブーブーッ
「……ぅ、ん、通知音?」
「……………っ!、はぁっ、母さん、もう、いいだろ……!なんでっ、」
ー明日、母さん家に来てね。待ってます♡ー
「…………邪魔されたくない。オルカとの幸せを。その幸せを守るためだったら、」
私は____
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2話「大切にしてくれる存在」