※この物語はフィクションです。
実在の人物及び団体等とは一切関係ありません。
〈8話〉
「『ヒカル、お前なにしてんだコラァ!!』」
ヒカル。
玄関ドアの向こうにいる男が誰かわからないけど、きっと彼はウサギの知り合い。
ウサギの本当の名前は、ヒカル――。
「『おい、ヒカ――』」
外の怒声を遮断するように、ウサギの両手が私の耳を覆った。
そして背中を曲げて、私の肩のあたりにお面のついた顔を埋める。
拘束とは呼べないほど、柔らかな檻だった。
振り払わなくても、頭をひとつ振るだけで逃げ出してしまえそうなのに、抜け出すことができない。
外の世界が遠のいて、私とウサギだけ世界の片隅に取り残されたような心地になる。
もう外の声は聞こえなくなってしまった。
訪問者が諦めて立ち去ったのか、それとも私の耳に届かないだけなのか、わからない。
けれど、ウサギの手や肩、吐息が*****************************
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