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あの人に出会ったのは、私が仕事に疲れ果ててもう死んでしまおうと思った時でした。
体は疲れ果て、上司に言われる小言を無理やり受け入れ、山ほどの仕事をひとりでこなし、残業が当たり前の毎日との戦いにもう勝ち目は無いと、希望を失いかけていた時…
私はあの人にあったんです。
「赤坂!何度言ったらわかるんだ!」
上司の村岡健二は、いつも私に強く当たる。今もそうだ、村岡が間違えてしまったことを何故か私の責任にして怒鳴りつけてくるのだ。
こっちはあなたのせいで仕事が溜まってるんですけど?八つ当たりを受けてる暇なんてないってのに…
私は俯いた顔を少しだけあげ、村岡の真っ赤に染まる顔をじっと見つめる。まるでゆでだこみたいな赤さだなぁ。私は、村岡の顔を見ながら呑気に考える。
自分がムカついたことを言い終わったら、すぐ終わるでしょ。いつもそうだし。私は、呑気に考えるのをやめず、そのままぼぉ〜としていると、
「お前は、人の話をちゃんと聞いてるのか?だから、またこうやってミスをしてしまうんだぞ。ほんとしり拭いをするのはこの俺なんだからな!感謝するくらい簡単なこともできんのか。」
さすがに、村岡にバレたのか私を睨む目が強くなる。
ほんと、なにがしり拭いよ。こっちがやってんのに。私は村岡の八つ当たりに飽き飽きしながら早く終わらないかと言わんばかりに時計の針を見た。
カチカチと1秒1秒刻む時計は、村岡の八つ当たりが始まってから20分経ったのを知らせてくれていた。
「ふぁ〜あ。」
村岡の八つ当たりが終わったあとは、私の仕事をするだけ、だったが、どんどん増える紙は私の残業の知らせをしてくれていた。
おかげで、今日も残業です。
私は眠い目をこすりながらもあと少しで終わる仕事と最後の勝負に挑んでいる。
カタカタとパソコンをうつ音だけが響く私しかいないこの部屋はもの寂しさを語っていた。