テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
古流斬
2,542
87
チタコロ
323
第三章 はぐれ者編
第二十三話「受け継がれた技」
赤黒い空の下。
転移によって距離を離されたケイトは、歯を食いしばる。
「くっ……!」
疲労した体では、すぐに戻れない。
虚飾は笑う。
「これで一対一だ。」
「英雄の息子。」
黒のユーマは静かに剣を構えた。
「……。」
不思議と焦りはなかった。
その姿を見た虚飾は違和感を覚える。
「何だ、その目は。」
⸻
その頃。
消えたはずの古流斬の言葉が、ユーマの脳裏によみがえる。
「技術は、最後まで裏切らない。」
「能力だけに頼るな。」
「夢と技術を重ねろ。」
ユーマは静かに目を閉じる。
「父さん……。」
その瞬間。
全てが繋がった。
夢の中で教わった暗殺術。
足運び。
呼吸。
気配の消し方。
そして能力『夢』。
「……そういうことか。」
ユーマは静かに笑った。
「父さん。」
「これも読んでたんだね。」
⸻
ユーマは能力『夢』を発動する。
空中へ無数の剣が現れる。
「またその攻撃か。」
虚飾は余裕の表情で笑う。
「見切っている!」
剣の雨が降り注ぐ。
虚飾は軽々と回避する。
「遅い!」
だが。
それは囮だった。
剣に意識が向いた、その一瞬。
ユーマの姿が消える。
「……え?」
音がしない。
気配もない。
「どこだ!?」
次の瞬間。
虚飾の真横。
「ここだ。」
ズバッ!!
鋭い斬撃が脇腹を切り裂く。
「がっ!」
虚飾は思わず後退する。
「いつの間に……!」
ユーマは再び姿を消す。
夢で創った剣を囮にし、その影へ紛れながら暗殺術で接近する。
能力と技術。
二つを完全に組み合わせた戦法だった。
「これが……!」
「暗殺技術!」
さらに背後。
「しまっ!」
ドンッ!!
柄で背中を打ち抜く。
虚飾は地面を転がる。
「ぐっ……!」
ユーマは静かに構え直す。
「父さんにはまだ届かない。」
「でも。」
「俺は、俺の戦い方を見つけた。」
虚飾は血を拭いながら立ち上がる。
その表情から、余裕は消えていた。
「古流斬……。」
「お前は死んでも、息子をここまで育てていたのか。」
戦場の流れは、再びユーマたちへ傾き始める。
――第二十四話へ続く。
コメント
1件
うわ、めっちゃ熱かった…! ユーマが父さんの言葉思い出して、能力と技術を重ねるって気づいた瞬間、鳥肌立ったわ。「技術は最後まで裏切らない」って台詞、重すぎるでしょ。しかも剣を囮にした暗殺術とか、脳筋じゃない戦い方が刺さる。虚飾の余裕が消えたラストも最高だし、次話が待ちきれないわ🔥