そういえば賜物…
何したらくれるのかな…
さっきみたいに雪合戦?
でも体格差で死にそうだ。
【<]^|’_・】
そんなことを考えていると、
イエティは顔を覗き込んできた。
「ユッキーは何したい…?」
そう呟くように聞くと
【僕ノnAマえ、!】
そう幼い男の子のような声が聞こえる。
もしかしてユッキーの声?
【b僕、ヤク束…マもる!】
約束?
何の話だろうか。
それとも私が忘れてるだけとか?
いくら考えても何も思い出せそうにない。
「ごめん、約束って────」
『約束ってなんだっけ?』そう言おうと口を開くも、
【ミんnnア、呼ぶよ、!】
というユッキーの声に遮られる。
その時、後ろから何かが走ってくるような音が聞こえた。
ほぼそれと同時に私とユッキーを包んでいた丸くて透明な壁がパリンという音と共に割れた。
【ハArrうka!】
ユッキーが肩をポンと叩きながらそう言う。
何となく読み取れた。
きっと私の名前を呼んでいる。
その時、
ユッキーの後ろに何やら沢山の影が見え、
覗く。
と、そこに居たのは今まで会ってきた化け物たちの姿だった。
1つの目を持つ紫色のワニや羽の先に鎌のようなものを生やした鳥など。
そしてみんなの手には賜物があった。
何をしたらいいのか分からないでいると、
みんな化け物たちは私にその賜物をグイグイと押し付けてくる。
「え…くれるの?」
賜物を全て集めたら私は帰れる。
けど、この子達は私が帰ることを嫌だと思ってるんじゃないの?
そんなことを思っていると
【mイ~nAア/¥t0ダチ!】
【ハ7}{5{モ、zUッとイ、l57ショ!】
とユッキーがみんなの肩を順に叩きながらそう言った。
『みんな友達』
『離れててもずっと一緒』
そういう意味だと私は思った。
賜物は全部集まったはず。
そう思っていたのにも関わらず、
私は現世に帰れなかった。
何かが足りないのかもしれない。
そう思い、確認してみることにした。
1つ目は『何かの毛が沢山着いている緑のスライム』
2つ目は『双子の鈴』
3つ目は『青と水色のブレスレット』
4つ目は『飲みかけのぶどうジュース』
5つ目は『汚れたぬいぐるみ』
6つ目は『壊れたスノードーム』
ん?
6つ?
確か必要なのは7つの賜物。
ということは1つ足りない?
持っている化け物の図鑑と見比べてみると、
どうやら足りないのは『瓶に入った赤い液体』であった。
その賜物を持つ化け物は鳥居の化け物、『ミヤビ』だった。
しかし赤い液体をこんな真っ赤な世界で探すのは無理に決まってる。
でも、帰るには鳥居が必要。
どうしよう…
その時、影踏みをした小さい頃の私。
に似た化け物がこんな提案をしてくる。
【ミヤビは『けんけんぱ』が好き、だからそれで呼び込む作戦が一番いいと思う】
そんなことを言ってきた。
けんけんぱ?
でもチョークとか無いから出来ないんじゃ…
そう思っていると誰かが私の服を引っ張った。
引っ張ったのは小さな虎だった。
そうしてどこかを見る。
それにつられて同じ方を見ると、
そこにはチョークで描かれた『けんけんぱ』のマークである18個の丸があった。