テラーノベル
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急に寒くなった。
今日は仕事もないし、冬服を準備しようと思った。
押し入れを開けて、衣装ケースを開け、上から順に取り出す。
「あー、これお気に入り」
後ろから美子が言った。
ピンク色の長袖トレーナーだ。
「あぁ、今から出すよ」
他にも厚手のシャツ、上着のジャケットなど…半年くらい押し入れに入っていたので何か微妙な匂い…
「まずは来週着る分の洗濯だね」
「うん、手伝うよ」
ぼくはシャツやトレーナー類を洗濯機に入れ、スイッチを押す。
「ねぇ、中が見たいよ」
「あぁ、いいよ」
ぼくは美子を肩車した。
「すごいね、ぐるぐる回ってるよ」
美子は大はしゃぎだ。
「満足した?」
「うん、おもしろかった」
「じゃあ、次の準備だね」
押し入れを開け、次はストーブを出す。
その間に美子は扇風機を丁寧に拭く。
ぼくは扇風機を押し入れに入れながら美子に言う。
「じゃ、ストーブを拭いて」
「はーい」
ぼくはついでに小さなファンヒーターも出す。
お風呂あたりの小さな部屋用だ。
しかし…
「スイッチ入れまーす」
このスイッチを入れたときのパチン、といった感じが好きらしい。
スイッチを入れ、美子は楽しそうに笑う。
「暖かいね」
美子が言った。
もうすぐ、女神様が帰って来る。
今から、暖かい冬を始めよう。
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