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感想聞かせて下さい!参考にします。また、リクエストなどありましたら教えてください
「あっ、ごめんなさい。大丈夫、ですか?」
肩が当たった拍子に声が聞こえた。
そして、
彼女が僕の腕をそっと触れた。
「え?僕?」
「?はい。」
初めてだった。
目があったのも、話しかけられたのも、誰かに気をつかってもらう事も、、、。
「すいません。肩がぶつかってしまって、本当にすいません。大丈夫ですか?」
ストレートの赤髪が揺れた。
「、、、はい。大丈夫です、。えっと、貴方こそ、大丈夫ですか?」
彼女は、耳の先がとんがっていて、瞳の色が紫色、赤髪、そして、長い棒を持っていた。
容姿からしてエルフなのだろう。
それにしても、何で僕に気がついたんだろう。僕は、誰にも見えない筈なのに。
「はい!私は大丈夫ですよ!!ありがとうございます。」
太陽みたいな笑顔が僕に向けられる日が来るなんて、思ってもみなかった。
「君は、僕が見えるの?」
「え?あーそうなんですよ。私、目が見えないんです。光はぎりぎり分かるんですけどねー。だからこの方がないとちゃんと道を歩けないんです。心配して下さってありがとうございます。よく勘違いされちゃうんですけどね。」
るんですけどねー。だからこの方がないとちゃんと道を歩けないんです。心配して下さってありがとうございます。よく勘違いされちゃうんですけどね。」
そう、だったのか、、、。
そうか、、。目が見えないから僕に気がついたのか、ああ、そうか。
君には僕がただのどこにでもいる男なんだ。
そのことが、とても、とても、嬉しくて、僕は彼女ともっと話したくなった。
「それじゃ、私いきますね。また、何処かで会えたら、。」
「え、あ。まっまって!!」
彼女の手を掴んだ。その拍子に彼女ら体勢を崩してしまい、倒れそうになったがすんでのところで抱き止めた。
「ごっごめん!!大丈夫?」
「は、はいぃ、、、。へーきです、、、。」
目を丸くして呆然とする彼女がとても、可愛いかった。でも、僕のせいで危険な目に遭ってしまった。
「本当に、ごめん。」
「いえいえ!ぜーんぜん平気ですよ!、、、どうしたんですか?」
「えっと、、。僕、明日も明後日も明明後日もここに来る、だから、また、、、会ってくれないかな、。」
言って、しまった。こんな言い方で良かったのだろうか。変なやつと思われないだろうか。知らない感情が湧き上がってきて、もう何がなんだかわからなくなってきた。
「私、ですか?」
「もちろんだよ。君じゃないと、嫌だ!」
な、名前も知らないのに、僕は何言ってんだ!こんなのまるで、、告白みたいだ、、、。
「いや、、!えっと、これは、き、君じゃないとっていうか!今日、い、今あった事が大切っていうか、!あっと、えっと別に変な意味じゃないくって、、!!」
慌てて早口になってしまった。
「ふふふっ。私も、貴方ともう少しお話ししたいです。」
笑顔。
心が溶けていくように温かくなる。
そうして僕たちは話しながらビルの屋上をおりていった。
君は、何でこんな所にいたの?