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わっしょいカンパニー社長 熾盗
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ご主人
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ゆも
34
「勝負や。」
「受けて立つ!」
輪投げ屋の前で向かい合うぷりちゃんとあっきぃ。
結局その勝負は、
ぷりちゃんの勝利で終わった。
「また負けたぁぁぁ!!」
あっきぃがその場に崩れ落ちる。
「今日何回目や。」
まぜちが呆れたように言った。
みんな笑っている。
そんな時間が楽しかった。
それからしばらく屋台を回り、
気が付けば空はすっかり暗くなっていた。
「あ。」
ちぐが夜空を見上げる。
「そろそろ始まるにょ。」
その言葉に、ぼくたちも空を見上げた。
夏祭りの最後を飾る花火大会。
会場のアナウンスも流れ始めている。
「あっち、人少ないぞ。」
あっちゃんが少し離れた場所を指さした。
「ほんまや。」
ぷりちゃんが頷く。
「行こう!」
ぼくたちは人混みを抜け、少し高くなった土手へ移動した。
「ここ最高やん。」
あっきぃが腰を下ろす。
目の前には川。
その先には花火が打ち上がる予定の場所。
夜風が心地良かった。
誰も大きな声を出さない。
さっきまであんなに騒いでいたのに。
なんだか不思議だった。
すると。
ヒュゥゥゥゥ……
空へ光が昇っていく。
そして。
ドォォォン!!
大きな音とともに、夜空いっぱいに花が咲いた。
「わぁ……。」
思わず声が漏れる。
赤。
青。
黄色。
色とりどりの花火が次々に広がっていく。
「すげぇ……。」
あっきぃも珍しく静かだった。
「綺麗だな。」
あっちゃんが呟く。
「うん。」
誰ともなく頷く。
花火の光が、みんなの横顔を照らしていた。
ドォン。
ドォォン。
夜空に響く音。
そのたびに大きな花が咲く。
ぼくはその光景を眺めながら思った。
海に行ったこと。
新幹線で騒いだこと。
ビーチボール対決。
お城づくり。
今日の夏祭り。
どれも楽しかった。
どれも大切な思い出だった。
「なぁ。」
不意にあっきぃが口を開く。
「また来年もみんなで来ような。」
少し照れくさそうな声だった。
一瞬だけ静かになる。
そして。
「もちろんにょ。」
ちぐが笑う。
「せやな。」
ぷりちゃんも頷いた。
「予定空いてたらな。」
まぜちも少し笑う。
「たぶん来るだろ。」
あっちゃんが言った。
ぼくも頷く。
「絶対行こう!」
最後の花火が打ち上がる。
夜空いっぱいに広がる大輪の花。
その光景は、きっと一生忘れない。
ぼくはみんなの笑顔を見つめた。
大好きな仲間たち。
ずっと続いてほしい時間。
でも、だからこそ特別なんだと思う。
ドォォォォン!!
最後の花火が夜空を彩った。
歓声が上がる。
拍手が響く。
そして、花火大会は幕を閉じた。
夏の夜風が吹く。
ぼくはそっと空を見上げた。
今年の夏は、きっと一生忘れない。
そう思いながら。
コメント
1件
わあ、花火のシーン、すごく綺麗でしたね……! ぷりちゃんとあっきぃのやりとりから、最後の静かな花火の時間までの流れが自然で、読んでいて自分もその土手に座っている気持ちになりました。特に「あっきぃが珍しく静かだった」ってところ、あの子らしいギャップで好きです。来年の約束も、照れくさそうに言うあっきぃが可愛くて。ずっと続いてほしい時間、って言葉にじんわりきました。素敵な夏の一幕をありがとうございます🌷