【 時透side 】
時透「……暇…」
暇すぎて死ぬ。
連絡手段がない。
本邸に入るやいなやスマホがとられた。
時透(くそぅ…連絡も出来ない。)
硝子達、なにやってるかな、、
黙って出て行ったこと、
怒ってるかな、
時透(眠れない、、)
あと1週間で祝言。
瀬戸家に入って
気づいた点が2つ。
1つ目。
夜になると騒がしい。
4日前、寝付けなくて起きていた時に話し声が聞こえたんだ。
内容は呪術界の噂話だったり、殿方の話だったり、
聞いてて飽きない。
2つ目。
使用人さんが怯えている事。
春馬さんと話している時にお茶を運んできてくれる女の人は
毎回違うけれど、
全員怯えているんだ。
なんでや。
??「〜ーーー」
お、誰が来た。
超絶暇な私にとって、
深夜の盗み聞きは
もはや、ラジオ放送のようなものであった。
使用人A「祝言まで1週間、ね、」
使用人B「全く、当主様も春馬様も人の心が無いんだわ。」
使用人B「あのお嬢さん、まだお若いのに、、」
使用人A「いけません!Bさん。誰かに聞かれたらとんでもないことになるわ!」
使用人B「えぇ。そうね。」
え、私の話?
時透(行っちゃったか、、)
??「ー〜〜」
時透(よぉ〜し、もう一回カモン!)
瀬戸「にしても、案外すんなりといったものだな。」
春馬「父上の告げ口のお陰です。」
瀬戸「ふっ!親族も呼ばれない祝言などあるか。」
瀬戸「花嫁の方は?順調か?」
春馬「はい。勘付くこともなく至って普通です。」
瀬戸「鍵と結界は?」
春馬「抜かりなく。」
瀬戸「よろしい。」
高らかに笑って通り過ぎた恐らく現当主と春馬さん。
時透(え、?)
鍵?
結界?
祝言に親族は呼ばない?
時透「は、初耳、、」
言われてみればたしかに、
私の部屋の鍵は
外からしか開けられないようになっているし、
窓にも結界が貼ってある。
時透(あれ、?)
もしかして、
結構ヤバい所に嫁いじゃった感じ?
じゃあ、
時透(祝言にみんなの姿はないのか…)
嫌だな。
これじゃあ、監禁されてるみたいじゃないか。
けど、助かる方法なんてない。
逃げ出すにも逃げ出せない。
本邸内の構造は知らないし、
私の部屋には鍵と結界がある。
スマホを取り上げられたから、
連絡手段もなし。
万事休す。
時透「……………最悪、」
拝啓 “ 元 ” 許嫁の君へ
なんかヤバい家です。
これじゃあ私、
まるで囚人みたいだわ。
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