テラーノベル
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ある街に、どんなに小さなお悩みやトラブルでも解決する為に奮闘してくれると噂の事務所がある。
電話一本で何でもお手の物!
そんなキャッチコピーを掲げたちょっと人間とはズレた感覚をお持ちのドールたちが営む事務所。
その名も【日常の小さなトラブル解決隊】。安直過ぎる名前だが、考えたドールがドールなだけあって仕方が無いと割り切るしか無いだろう。
そんな、ちょっとズレた日常の小さなトラブル解決隊の日常を覗いて行こうではないか。
「誰でも、経験した事があるだろう?
朝起きたら、スマホが枕元から消えていたり、焦り過ぎたせいでイヤリングを棚の下に落としたり、本の角が折れてたり、片方の靴下が見つからないなんてこと。
そんな些細だけど、微妙に心がざわついてしまう瞬間が。
仕事が終わり、暇を持て余しているうちらドールは、そんな“ちょっとした困った事”に真剣に向き合う。
大それた事件の解決でも、世界を救うようなヒーローでもない。
だけど、ちょっとした「あー、困った!」を「あー、助かった!」に変えたい。ちょっとでも笑顔を増やしたい。
その一心で今日もうちらは活動を続ける。
それが、【日常の小さなトラブル解決隊】だ!」
「はい、カットー」
日本国のドール、愛華の掛け声で隣でスマホで録画をしていた陸軍・陸上自衛隊のドール、陸華が手を止める。
「姉さん!うちさっきすんごい頑張ったでしょ!」
先程まで収録の為に話ていた日本国のもう一人のドール、鈴華が姉である愛華に抱きつきながら話す。
「そうだなー。頑張ったなー」
笑えるぐらい棒読みで愛華は鈴華を軽くあしらう。
「鈴華が提案した事なのになんで私が編集してんだよ!」
軽く編集をし終えたエストニアのドール、共華が我に返ったようにツッコミを入れた。
「まぁ、まぁ、そう仰らないで〜。此処が繁盛するのは良いことでしょ☆!」
ウザいぐらいの笑顔で鈴華は共華に話し掛けた。
「…………此処のシステム全部ハッキングして、ぶっ壊してやろうか」
黒い笑顔を浮かべながら共華は話し始める。
「止めて!」
そんな共華を陸華は何とか抑え込む。
ワイワイガヤガヤやっていると、この事務所に一本の電話が掛かってきた。
「はい、日常の小さなトラブル解決隊です!今回はどのようなトラブルですか?」
これが、ちょっとカオスでちょっと感覚がズレてる日常の小さなトラブル解決隊の日常だ。
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