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「みんな!!1回集合!!」
先輩がそう言うと美術部の人達は先輩の周りに集まった。
「今日から美術部のサポーターになる澪ちゃんだよ!!」
「水咲 澪です。よろしくお願いします」
そう言うと1人の女子が手を挙げた。
「先輩、美術にサポーターは必要ないと思います」
「そうかな?でも俺のこの絵にアドバイスしてくれたんだよ?」
そう言いながら先輩は私が昨夜描いたクラゲのホテルの絵をその女子に見せた。
「これは先輩の絵…..では無いですね」
「よく分かったね!!これは俺の元の絵を澪ちゃんがアドバイスして描いた修正版だよ!!」
「….ふーん」
「まぁいいや。豆木 緑。よろしく」
「よろしくお願いします」
「緑は副部長なんだよ~ !!」
「水咲さんでしたっけ?」
そう言いながら先輩と豆木さんの会話に入ってきた男子がいた。
「あ、そうです」
「俺、2年の佐原 駿。俺の絵のアドバイスしてくれる?」
「もちろんです!!」
そう言うと佐原先輩は1つの絵を私に見せた。
「これなんだけどさ…」
その絵は夜空を走る列車だった。
「なんかいい案無い?」
夜空を走る列車の絵はよくあるからなんか違うものは無いのかな…。
そう思いながら私は辺りをキョロキョロする。
その時、目に留まったのは『海の生物図鑑』だった。
そこで私は思いついたのだ。
夜空の列車じゃなくて
深海の列車にしたらいいんじゃないかと。
「深海って描けますか?」
「ん?描けるけど?」
「じゃあこんな感じにしたらどうですか?」
「はい、紙とペン」
紙とペンを探していると丁度いいタイミングで先輩は私に紙とペンをくれた。
「ありがとうございます」
そう言いながら私は紙にペンを走らせる。
「こんな感じで深海を走ってる列車にしてもいいし」
「逆に夜空の深海にしちゃうとかもありですね」
「夜空の深海か….じゃあこんな感じで生物もこんな感じにしたらいいかな?」
そう言って佐原先輩は星とクラゲが合体したような絵を描いた。
「いいですね!!」
「すごい!!ねぇ私のもアドバイスして!!」
「は?今、俺のアドバイスしてもらってんのに?」
「もう終わったでしょ?だからいいじゃん!!」
「まだ終わってねぇよ!!」
佐原先輩は同級生の女子と口喧嘩を始めた。
「どう?楽しい?」
気がつくといつの間にか先輩は私のすぐ近くに来ていたようだ。
「はい!!」
私が元気よく答えると
「良かった」
と言って微笑んだ。