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えッ、、ちょ待って下さい🙄 好きすぎて発作出ます🥹🥹 この後どうなるのって禿げるぐらい 気になってます👨🏻🦲(( 嫉妬が爆発しちゃう夢主チャン かわいすぎるしイザナくんも 夢主チャンだけに優しく言ってそうな 言葉の接し方が好きッッ‼️💖
夜の10時過ぎ。玄関で靴を履いているイザナが放った「出掛ける」という言葉に私の地雷を見事に踏み込んで嫉妬が大爆発した。…いや正確に言えばその後に放たれた言葉に、だ。
イザナと一緒に居られないのは寂しいし悲しいけど出掛けるぐらいなら私だってまだ我慢できる。だがその外出先に“女の子”が居れば話は別だ。
例えそれが年上でも年下でも誰かの彼女でも恋愛に興味がない子でも、イザナと一緒に居る女は全員許せない。
『やだやだやだ!私以外の女の子が居る場所行かないで!』
そう空気を張り裂くような叫び声をあげながらイザナの腕にギュッと抱き着いて出掛けようとする彼の動きを封じ込む。
「…邪魔」
だが相手は男、そして現役の不良。
力で敵うはずもなくすぐに腕の拘束を解かれてしまう。
はぁと重い溜め息を零しながら服の腕部分に刻まれたしわを手で治す彼を涙目で見つめ、言葉を探していく。どうにかここに引き止めたい。もうどこにも行かないでほしい。そんな自分勝手な思いはもう止まってはくれず、心の栓を抜いたみたいにドロドロと流れてしまった。
『私のこと飽きちゃった?も う私のことなんてどうでもいい?』
喉を締め付けられたような、悲鳴に似た叫び声が自身の喉を通る。感情の揺れが体に追い付かず、頭部や眼球に熱が溜まっていって涙が頬を滑り落ちていく。そんな私を見て、イザナがどんな表情をしているのかを確認するのが怖くなってしまいつい俯いてしまう。
「誰もそんなこと言ってねぇだろ」
─…イザナはそう否定してくれたのに。
『…いいもん、私もイザナ以外の男の子が居る場所行ってくる!』
気付けばそんなことを口走って、家を出て行ってしまった。
「は、…○○!」
背後で聞こえたその声に無視を決め込んだ時に感じた胸の痛みは知らないふりをした。
後悔しだしたのはそれから数分経った後。近くのコンビニに着いたときだった。
泣き腫らした目を出来るだけ周りに見られないよう俯き気味になって青黒い夜の色が広がる空の下を歩き回り、路地裏の隅に捨てられるように置かれていた空気清浄機の上に座り込む。視界の端でちらつく人工的な街灯の光とは反対に私の気持ちは段々と暗く沈んでいった。
『…もうイザナ出掛けちゃったかな』
声に出したその瞬間、胸が引っ掻かれたようにヒリヒリと痛みだす。
なんであんなバカなことしちゃったんだろ、私。
変に嫉妬して、イザナの気持ちも考えないでただ叫んで、一人で勝手に泣いて、ちゃんと話もしないで出て行って。そんな自分から嫌われるようなことばかりしてしまって。こんなの面倒くさい女の代表そのものじゃないか。
─…元々強かった束縛癖がイザナと付き合ってからさらに強まったような気がする。
イザナのスケジュールはなんでも把握しておきたい。
連絡や帰りが遅いと眠れないくらい不安になるしついつい強くあたってしまう。
ほかの女の子と居るのだっていやだし、イザナには私しかかかわってほしくないし、ずっと一緒に居たい。私との予定を一番に優先してほしい。私が一番って言ってほしい。
『あ゙ー…こういうのがダメなんだよね…』
そう自覚した途端、自分の汚さを再確認させられ、重い息を吐いて目を閉じる。
せめてメッセージ越しでもいいから謝ろうと決意したが携帯も忘れて出てきてしまっていることを思い出し、自分の無能さと壮大な疲労感にがくりと落胆する。
イザナのことを考えるとすぐこれだ。自身の考えながら酷く呆れてしまう。
今だってこんな状況になってもイザナがほかの女の子と一緒に居るんだなという思考が脳裏に流れ込んできて、腹の奥から何かがせり上がってきそうなほどの嫌悪を感じる。
「…アレ?なーんかこんなトコに女居ンだけど。」
突然、干からびたようにカサカサな聞き馴染みのない男の人の声が鼓膜に触れた。
不思議に思いながら顔を上げるとやはり知らない顔の男が数人、座り込む私を見下ろしていた。男たちから漂うお酒と煙草の強い匂いに、つい顔を顰めてしまう。
「お嬢さんどうしたの。あ、訳ありって感じ?」
どことなく荒い響きを持った言葉と下品な笑い声に、関わってはいけない人だと本能が察知した。急いで無視して路地裏を抜け出そうとしたその瞬間、男の一人が私の手首を握って逃げ出そうとする私の動きを阻止してきた。
いやだ。触られたくない。
『…離してください』
そう紡いだ声は僅かに震えていた。無理やりにでも引き離して逃げたがったが、長時間ずっと座りっぱなしだった自身の脚は棒のように突っ張って痺れており、上手く動けない。
そんな自分の体と未だに手を離さない男に心の中で小さく舌打ちを零し、怒りを込めて睨みつける。
「ね、ちょっとオレたちと遊ぼうよ。」
路地裏なんて来なければよかったと後悔したときには、もう遅かった。
続きます→♡1000