亮平Side
💚「ん、ここは……?」
目を覚ますと、俺は一面真っ黒な世界に一人きりだった。たしか俺、フリーズに捕まって、奴らの本拠地に連れて行かれて……あれ、そもそも俺はなんでフリーズに捕まったんだ?
💚「うっ……」
何かを思い出そうとすると、頭に激痛が走った。何か大切なものを忘れているような……そんな感覚がした。
💚「俺は一体……何を忘れてるんだ?」
思い出したいのに、思い出せない。頭の物理的な痛さと、心にくる精神的な痛さで俺はその場に座り込んだ。
💚「痛い……苦しい……だ、誰か……」
「……楽にしてやろうか?」
💚「うわっ!?だ、誰……?」
暗闇の中、突如聞こえた低い声。
「お前のその苦しみ……1つだけ、治す方法がある」
💚「苦しみを、治す……」
「そうだ。私と契約を結ぶんだ、阿部亮平」
💚「契約……?」
「これから先、ずっと私と共に過ごすんだ。……何があっても」
💚「あなたと、ずっと一緒に……」
よく分からない人(人かもどうか分からないが)と一緒に過ごす、というのは、さすがに抵抗があった。
契約を、と言われても何がなんだか分からない。
黙り込んでいると、
💚「……うっ!」
突如、さっきとは違う別の痛みが俺の体を襲った。
「……どうした。契約を結ばないのか?阿部亮平」
💚「でも……」
……何かが胸に引っかかる。契約を結んでしまえば、この苦しみから解放されるのかもしれない。でも、それは違う気がした。
根拠なんてない。ただ、なんとなく……この苦しみは、何かの罠のように思えて。
そんな時だった。
?「……!!」
💚「ん……?」
暗闇の奥の方から、何かが聞こえた。
?「あ……!あべ……!あべぇ……!」
俺の、名前?誰かが、俺を……
「まずい、術式が弱まっているだと……!?おい、阿部亮平!早く契約を結ばないか!」
💚「契約……でも……」
俺の名前を呼ぶ声が、気になって気になって仕方ない。どこかで聞いたことのあるような……忘れてはいけなかったような……
?「あべ……!そっちはダメだって、戻ってきてよ……!!」
💚「……!?」
そっちは、ダメ……?そっちって、やっぱり契約のこと……?
この声の主は……?この胸の引っかかりは……?
何かが分かりそうで、分からない。
💚(うう……頭が……)
考えれば考えるほど、強い苦しみが俺を襲う。その苦しみに耐えていると、俺は声の主のある一言で、全てを思い出した。
💜「あべちゃん……俺だよ、ふっか!深澤、辰哉……!」
💚「……ふっ、か?」
そうだ……!思い出した、この声は、ふっか……! 絶対に忘れちゃいけない、俺の大切な同期……!
それにたしか、俺はフリーズに捕まる前、佐久間と、康二と一緒に戦ってた……!2人は、俺を逃がそうとして捕まって……
全てを思い出したものの、頭の痛みは全く消えない。まるで何かが、俺の記憶を操作してるような……そして俺は、またある事を思い出す。
💚「そうか。フリーズのせいだ……」
俺が大切なみんなのことを忘れてたのは、絶対にフリーズが原因だ……
忘れたくなんて、なかったのに!
「くっそ、全て思い出しやがったか……」
💚「こんなことして、俺を契約させて闇に堕とそうなんて……どこまでも酷い奴らだな。俺は、何がなんでも、みんなの元に、ふっかの元に戻る!!」
見えない敵にそう宣言して、俺はパッと目を開けた。すると、そこには……
(続く)
コメント
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待って✋ 神作すぎます😭 やっぱり天才ですか❓続きが楽しみすぎます😊 続き待ってます‼️