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古流斬
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チタコロ
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短編「地獄の噂」
現在の地獄。
酒呑童子の勢力は壊滅し、閻魔による統治が続いていた。
さらに、閻魔には絶対的な切り札がある。
古流斬。
閻魔に大きな恩があるため、召集がかかればすぐに地獄へ駆けつける存在。
そのため、地獄ではこんな噂が広まっていた。
「悪事を働けば閻魔に伝わる。」
「閻魔に伝われば古流斬が来る。」
「古流斬が来たら終わりだ。」
その噂だけで、多くの悪魔は悪事を思いとどまっていた。
そんなある日。
地獄の酒場で、一つの噂が流れる。
「聞いたか?」
「傲慢が地獄にいるらしい。」
「何?」
周囲がざわつく。
「あいつ、封印されてたんじゃなかったのか?」
「いや、封印は解かれたらしい。」
「そのあと閻魔に捕らえられて、地獄へ送られたって話だ。」
「しかも、かなり弱体化してるらしいぞ。」
その話を偶然聞いていた古流斬は、ゆっくり立ち上がる。
「……傲慢がいる?」
その表情から笑みが消える。
「ってことは。」
「封印が解かれて。」
「そのあと退治されたってことか。」
古流斬は静かに息を吐いた。
「あいつでも、閻魔には勝てなかったんだな。」
その時、背後から聞き慣れた声がする。
「いや。」
「正確には違う。」
振り返ると、閻魔が立っていた。
「傲慢は確かに封印から解放された。」
「だが以前ほどの力はない。」
「力の大半を失い、今は厳重な監視下に置かれている。」
古流斬は少し安心したように頷く。
「なら、ひとまず安心ですね。」
閻魔は真剣な表情で答える。
「安心はするな。」
「弱体化していても、あいつは元・最強の悪魔だ。」
「だから監視は続ける。」
古流斬は苦笑した。
「結局、俺も呼ばれるんですね。」
閻魔も笑う。
「ああ。」
「何かあれば、また頼む。」
古流斬は肩をすくめる。
「仕方ないですね。」
「世界を守るのも、俺の役目ですから。」
地獄では今日も平和が続く。
それは閻魔の統治と、いつでも駆けつける古流斬の存在があってこその平和だった。短編「地獄の噂」
酒呑童子との戦いが終わり、地獄は閻魔によって統治されていた。
悪事を働けば閻魔に知られる。
そして閻魔が必要と判断すれば、古流斬が召集される。
そのため地獄では、大きな事件はほとんど起こらなくなっていた。
そんなある日。
地獄の酒場で、一つの噂が流れる。
「おい、聞いたか?」
「傲慢が地獄にいるらしい。」
周囲がざわつく。
「本当か?」
「あいつは最強の悪魔だったんだぞ。」
「でも今は弱体化してるらしい。」
その話を聞いていた古流斬の表情が変わる。
「……弱体化?」
古流斬は小さく考え込む。
「そうか。」
「俺に存在を消滅させられた影響か。」
「あの時、『理想』そのものが大きく崩れた。」
「だから今の傲慢は、本来の力を出せないんだ。」
閻魔が静かに頷く。
「その通りだ。」
「傲慢は封印されたわけではない。」
「お前との戦いで『理想』が崩壊し、大幅に弱体化した。」
「だから今は地獄で管理できている。」
古流斬は静かに息を吐く。
「なるほど。」
「封印じゃなかったんですね。」
閻魔は続ける。
「それでも油断はできん。」
「弱体化したとはいえ、傲慢は元・最強の悪魔。」
「力を取り戻せば、再び脅威になる可能性はある。」
古流斬は苦笑した。
「なら、その時はまた俺が相手しますよ。」
閻魔も小さく笑う。
「ああ。」
「その時は、また頼む。」
地獄には今日も静かな時間が流れる。
最強だった悪魔は力を失い。
世界の理を超えた英雄は、その平和を静かに見守っていた。
コメント
1件
読み終わりました。第125話「地獄の噂」、短編ながら世界観がぎゅっと濃縮されていて面白かったです。古流斬さんが閻魔から絶大な信頼を得ている——その存在が地獄の平和を支えている構図がよく伝わってきました。特に、傲慢との因縁が「封印」ではなく「理想の崩壊による弱体化」だったという裏設定に、物語の重みを感じます。弱体化したとはいえ油断ならないという閻魔の台詞も印象的で、続きが気になります。地獄の酒場のざわめきも映像が浮かぶようでした。